5棟の高層ビルなど建設 らせん状の文化創造棟は隈研吾さんが設計……JR東日本が公表した高輪ゲートウェイシティの施設概要

高輪ゲートウェイシティのシンボル、隈研吾さんがデザインする「文化創造棟」=イメージ=。左下には走行するJR山手線の電車が描かれる(画像:JR東日本)

鉄道事業者の地域再開発プロジェクトとして、全国最大級の「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」(東京都港区)。JR東日本は2022年4月22日、建設する高層ビルをはじめとする5棟の施設概要を公表した。

建築家の隈研吾さんがデザインを担当する文化創造棟や、高級ホテルとオフィスが入る複合高層ビルなどで、最初の街びらきは2025年3月。2025年度内の全面開業を予定する。対象地は、羽田空港からのアクセスが良好。東海道新幹線(将来はリニア中央新幹線も)品川駅に至近で、国内外からの幅広い来街者を見込む。

高輪ゲートウェイシティは、JR山手線、京浜東北線田町―品川間に2020年3月14日、開業した新駅・高輪ゲートウェイの周辺エリアを対象にした街づくりプロジェクト。駅東側に広がるJR東日本の車両基地跡約9.5ヘクタールを再開発して、5棟の建物を建設する。

施設は品川方から複合棟Ⅰ・South、同・North、複合棟Ⅱ、文化創造棟、住宅棟で、地上6階建ての文化創造棟を除く4棟は、地上29~44階建ての高層ビルになる。

街区の目玉は、らせん状の外観で日本の四季を表現する文化創造棟。施設内では音楽や演劇などのイベントが開かれる。高輪ゲートウェイ駅に直結する複合棟Ⅰ・Southと同・Northには、外資系高級ホテル「JWマリオット」がテナントとして入居。オフィスフロアには、国内外の企業を誘致する。

JR東日本は、2018年に街づくりの概要を公表しているが、今回との大きな違いは、2019年に発掘された明治時代の鉄道遺構「高輪築堤」への対応。開発エリア内に遺構の現地保存スペースを設ける。

このほか、エリア内に男女共学の「東京インターナショナルスクール」、国際会議を開催できる「コンベンション・カンファレンス(施設)」などを開設する。開発コンセプトは、世界に開かれた新たな文化・ビジネスが生まれ続ける「Global Gateway(グローバル・ゲートウェイ)」、街づくりのキーワードは「100年先の心豊かなくらしのための実験場」。

100年先の心豊かなくらしのための実験場」をキーワードに、次世代型街づくりに挑戦する高輪ゲートウェイシティの開発イメージ(資料:JR東日本)

記事:上里夏生

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