倉敷SOLA 美観地区にオープン 古民家増改築の複合商業施設

テープカットで倉敷SOLAのオープンを祝う関係者

 倉敷市美観地区の古民家を増改築した複合商業施設「倉敷SOLA」(同市中央)が28日、オープンした。デニム製品や足袋型シューズを扱うショップ、和洋食のレストランなどがテナントに入居し、家族連れらが休憩できる広場も併設。観光客の回遊性向上が狙いで、一帯のさらなる活性化が期待される。

 空き家は明治から昭和初期ごろに建てられた旧藤岡邸。大原美術館のほぼ東約100メートルに位置する。土地管理の三楽(同市阿知)が2008年に取得しており、昨年6月に着工していた。

 倉敷SOLAは敷地面積約940平方メートル。かつて病院だったという木造2階の建物を増改築し、木造2階の建物を新築した。延べ床面積は計約520平方メートル。設計は古民家の再生を多数手掛ける建築家楢村徹さん=同市=が担い、梁(はり)などを残しつつ現代的な空間に仕上げた。隣接する倉敷民芸館、きび美ミュージアムとの出入り口を設け、自由に行き来できる。

 テナントには5社が入居。足袋型シューズを展開する丸五(同市茶屋町)や井原デニムを使った製品を手掛ける青木被服(井原市西江原町)の店舗をはじめ、ハンガリー料理を扱う洋食店、民芸の食器で料理を提供する和食店が開業した。計3室を備える宿泊施設は今夏に営業を始める予定。施設中央の「みんげい広場」では今後、ワークショップなどのイベント開催も計画している。

 この日のオープニング式典には関係者約50人が出席。三楽の大原謙一郎代表取締役会長が「倉敷のものづくりを衣食住で体感できる空間が誕生した。ここから明るいニュースを届けられるよう努力していきたい」とあいさつし、テープカットで開業を祝った。

テナントに5社が入居する倉敷SOLA。井原デニムを使った服や雑貨などが並ぶ

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