高鍋駅前にモニュメント 彫刻家・田中さん制作

削岩機などを使い、彫刻作品を制作する田中等さん

 高鍋町・JR高鍋駅前のロータリーに大きな石の彫刻作品を設置する計画が進んでいる。駅前を活性化させようと、町観光協会(前田邦安理事長)が企画し、同町の彫刻家田中等さん(72)に制作を依頼した。作品は重さ約15トンで高さ約2.8メートル、横幅約3.8メートル、奥行き約0.7メートル。制作や関係機関との調整が順調に進めば、今秋にも設置される見通し。
 ロータリーは直径約14メートル。植栽され、高鍋駅と書かれた看板や交通標識などがある。駅周辺の商店などが姿を消す中、活性化と町が掲げる「歴史と文教の城下町」をアピールしようと、モニュメント設置を計画したという。
 田中さんが彫刻に使うのは中国産の御影石。今年2月、北九州市・門司港から特殊車両の低床トレーラーで町内の企業所有地に到着。3月に関係者が出席して神事と記念の石割が行われた後、削岩機で周囲を削るなど制作を開始した。
 制作するのは田中さんの代表的なシリーズで、国内外に設置されている「MOON DANCE(ムーン・ダンス)」。二つの半月を向かい合わせて配置し、気持ちが通じ合う男女が仲良く踊っている様子をイメージしたという。
 計画には町が協力。ロータリーの土地は県とJR九州が所有しており、設計図が完成次第、町が設置のための許可申請を行う。田中さんは「制作は光栄。作品は分かりやすく親しみやすいと思う。町民が誇りを持ってくれれば」と話している。

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