宅建業の書面電子化マニュアルを公表 国交省、IT重説と一体で遵守事項整理

(提供 日刊不動産経済通信)国土交通省は、5月18日の宅地建物取引業の書面電子化解禁に向けて、マニュアルを作成し公表した。書面の電子化はIT重説との一体的な活用が考えられることから、IT重説のマニュアルとひとつにした。新たなマニュアルの策定により、従来のIT重説マニュアルと、社会実験参加用に使われていた書面電子化のガイドラインは、同日付で廃止する。

電子化して取引相手に交付することが可能となるのは、媒介契約書、重要事項説明書、契約締結時書面、指定流通機構への登録を証する書面。相手方には、書面を電子化して提供することに対し事前に承諾を得る必要がある。マニュアルはこのうち、媒介契約書、重説書、契約締結時書面について、電子版提供の一般的な流れをフロー図にして示した。

例えば重説書の場合、宅建業者から依頼者に対して書面電子化の承諾を得ることや、IT重説実施の意向確認などから開始。電子書面の作成・提供の後には、電子書面が改変されていないかどうか確認するための方法を説明し、更に電子書面の保存の必要性と保存方法の説明を経て、宅建士証の提示へと進める。そのうえでIT重説の実施に至るという流れ。

FAQも収録した。重説書などの書面電子化を顧客側から求められた場合でも、「相手方等から承諾を得ることは必要」と回答。また、一人の依頼者が複数の不動産取引を同一宅建業者に依頼する場合は、「電磁的方法による提供の対象となる取引及び書面の種類が承諾の際に明示的に特定されるのであれば、一度に承諾を得ることは可能」と回答した。このほか書面電子化の承諾を得るための様式に盛り込む要素も示した。

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