佐渡汽船(本社・佐渡市)は29日、本年度の小木―直江津のジェットフォイル運航を始めた。10月末まで1日2往復する。
午前8時55分直江津発の第1便出発前に式典が行われ、浦川原区を拠点に活動する「保倉川太鼓」が太鼓演奏を披露。団体旅行客ら約140人が太鼓の音を聞きながら乗り込んだ。静岡県から家族で佐渡旅行に行くという小学生の女の子は「金を見るのが楽しみ」と話していた。
佐渡汽船は3月31日付で、主に東北地方のバス会社を傘下に置く「みちのりホールディングス」(本社・東京都)の子会社となり、経営再建が始まったばかり。尾渡英生社長は乗客に向け「上越市の魅力、佐渡市の魅力を世界に発信いただきたい。航路の安全な運航をしっかり続けていく」と述べた。
上越市の中川幹太市長も第1便の乗客を歓迎。「佐渡市では『佐渡島の金山』世界文化遺産登録に向けた準備が進んでいる。上越市は佐渡、糸魚川、妙高を含めた広域観光ルートづくりを進めていきたい。運航は、いずれはカーフェリーになると助かる」と話した。
佐渡汽船によると、大型連休中の予約状況は好調。尾渡社長は「客席の稼働率は8割程度の見通し。子会社が運営する佐渡島内のレンタカーの台数も通常の60台から80台に増やして対応している」とした。