コロナ禍3年目のGW初日 悪天候も神奈川の観光地ににぎわい 鎌倉の飲食店では明暗も

雨の中、JR鎌倉駅近くの小町通りを散策する観光客=29日午後1時55分ごろ、鎌倉市

 新型コロナウイルス禍で3年目となるゴールデンウイーク(GW)が29日始まった。あいにくの悪天候にもかかわらず、神奈川県内の観光地ではマスク越しにほころぶ表情が多く見られた。緊急事態宣言などが出されていた過去2年の大型連休と比べて、にぎわいを取り戻しつつあるようだ。

 鎌倉市のJR鎌倉駅周辺では観光を楽しむ人の姿が多く見られた。友人5人組で埼玉県から訪れたという高校2年生の男子生徒(16)は「江ノ電に乗り、ぶらぶら歩きたくて鎌倉に来た。江の島と海がとてもきれいだった」と満喫した表情を浮かべた。

 鎌倉小町商店会の今雅史会長(73)によると、東京や横浜など近場からの観光客を中心にコロナ禍前の7、8割まで回復してきたという。「雨の割にはそこそこの人出だった。明日以降の天気の回復に期待したい」と話す。

 小町通りの和菓子店代表、中口顕太郎さん(67)は「去年より、ちょっとでも景気が良くなればいい」と話し、5月5日の「こどもの日」に向けてかしわ餅の売り上げ増に期待した。

 飲食店では明暗が分かれた。満席の店がある一方で、客足に恵まれない店も。そば店を営む猪口耕三さん(80)は「昨日は切れ目なくお客さんが来てくれたが、今日は雨でさっぱり」と諦め顔。「やっぱりコロナが収束しないと、完全回復は難しい」と話していた。

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