原因不明の小児急性肝炎、日本で新たに2人 米では初の死亡例か

 厚生労働省は25日の発表に続き、各国で確認されている原因不明の肝炎とみられる事例が、国内で新たに2人報告されたと発表した。国内での累積報告数は3人となった。

 発表によれば、新たに報告された2人はともに16歳以下。昨年10月以降に発症したとみられ、すでに知られているA〜E型の肝炎ウイルスには感染していなかった。2人の現在の状況について、詳しくは公表されていない。

 他方、アメリカ中西部ウィスコンシン州の衛生当局は27日、原因不明の小児急性肝炎が疑われる4例を調査していると発表した。すでに1人は死亡しており、死因が肝炎だと確認されればアメリカで初の死亡例になるという。同時に、肝臓移植が必要な子どもも1人いるとしている。

 この原因不明の小児急性肝炎については、WHO(世界保健機関)が昨年1月から世界各国で症例が報告されていると発表しており、これまで12ヵ国169件が確認され、1人が死亡しているとしている。原因については専門家が様々な可能性を指摘しているが、現在もっとも関連性が疑われているのはアデノウイルス感染によるもので、WHOに報告があった169例のうち74件で感染が確認されている。日本で報告があった3例について、厚生労働省は1人についてはアデノウイルスには感染していなかったと発表しているが、今回発表された2人については公表していない。

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