2022年ル・マン24時間のエントリーリスト更新。日本人5名を含む全62台のラインアップが確定

 4月29日、ACOフランス西部自動車クラブは28日付で第90回ル・マン24時間レースの最新版・暫定エントリーリストを発表した。これにより6月11~12日に行われる伝統の1戦に出場する全62台のドライバーラインアップが確定した。

 今回のアップデートは、LMGTEプロクラスのフェラーリ勢と未定だったLMGTEアマクラス、およびLMP2チームのラインアップ確定が主な内容となっている。

 その中のひとつであるAFコルセの布陣では、ダニエル・セラとダビデ・リゴンがフェラーリ・セミワークスチームにカムバックしている。2019年のGTEプロクラスウイナーであるセラは、アレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラドとともにふたたび51号車フェラーリ488 GTE Evoをシェアする。

 一方のリゴンは、僚機52号車フェラーリのレギュラードライバーであるミゲル・モリーナ、アントニオ・フォコのペアに合流し“世界三大レース”のひとつを戦うことになった。

 なお、昨年のル・マンで、ピエール・グイディとカラドと組みGTEプロクラスを制したコム・レドガーは、ガレージ59のオペレーションでGTEアマクラスを戦う、インセプション・レーシングの59号車フェラーリ488 GTE Evoをドライブすることが決定している。

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のスタードライバーのひとりであるランガー・バン・デル・ザンデは、GTEアマクラスで66号車フェラーリ488 GTE Evoを走らせるJMWモータースポーツに合流。ふたりのアメリカ人ドライバー、ジェイソン・ハート、マーク・クバムとチームを組む。

 現在、IMSAのトップカテゴリーであるDPiクラスに“名門”チップ・ガナッシ・レーシングが運営するキャデラック・レーシングから参戦しているバン・デル・ザンデにとって、ル・マンでGTカーをドライブするのは今大会が初めての経験となる。彼は過去4回ル・マンに出場しているが、2度のLMP1参戦を含む3回はドラゴンスピードから、昨年はインターユーロポル・コンペティションからLMP2クラスに挑んだ。

 同じく北米からやってくるウェザーテック・レーシングでは、ジュリアン・アンドロウアーとジャンルカ・ジラウディが79号車ポルシェ911 RSR-19でクーパー・マクニールとチームを組む。また、アメリカのハードポイント・モータースポーツは、キャサリン・レッグとアドリアン・ド・レーネー、チームオーナーのロブ・フェリオールを登録している。

■総合優勝を争うハイパーカークラスは5台での戦いに

2021年8月に行われた第89回ル・マン24時間レースのフラッグ

 GTEアマクラスで4台のフェラーリ488 GTE Evoを走らせるアイアン・リンクスは60号車のクルーを調整。マッテオ・クレッソーニと元F1ドライバーのジャンカルロ・フィジケラを80号車に移し、リチャード・ハイスタンドとの新しいトリオを形成した。

 一方、60号車にはIMSAのGTDクラスで2度チャンピオンを獲得しているアレッサンドロ・バルザンと経験豊富なイタリア人ドライバー、ラファエル・ジャンマリア、そしてWECにフル参戦中のクラウディオ・スキアボーニが乗り込む予定だ。

 また、アイアンリンクスのクルーとして、ピエール・エーレット、クリスチャン・フック、ニコ・バローネのチームが75号車フェラーリをシェアすることが決まっている。なお、女性ドライバー3名が乗り込むアイアン・デイムスの85号車フェラーリについては変更はない。

 この他、GTEアマクラスではヴァンサン・アブリルとコンラッド・グルネワルドが、ルイス・プレッテとともにAFコルセの61号車フェラーリ488 GTE Evoを駆ることが決まった。

 LMP2クラスは計4チームが新たにドライバーラインアップを確定させ、アルガルベ・プロ・レーシングからFIA F2ウイナーのジャック・エイトケンがル・マンデビューを果たす。彼は今年ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズでレーシングチーム・ターキーに加わり、すでにプロトタイプレースデビューを飾っている。

 2021年のIMSAセブリング12時間レースで優勝したトリスタン・ボーティエは、ARCブラティスラバの44号車オレカ07・ギブソンで、フランスの“クラシック耐久レース”に初出場する予定だ。

 ポルシェ・ワークスドライバーであるパトリック・ピレは48号車オレカ07を走らせるIDECスポールに合流し、DKRエンジニアリングではアレクサンドル・クニューがラインアップに加わっている。

 最高峰カテゴリーのハイパーカークラスは3月10日に発表された暫定エントリーリストから変更はなく、TOYOTA GAZOO Racingとグリッケン・ハウス・レーシングが各2台、アルピーヌ・エルフ・チームは1台、この計5台で総合優勝が争われることになる。

 なお、出場予定のチームがレース参加を見合わせる場合に、それに代わって出場権を得るリザーブエントリーに並ぶクルマは当初の6台から4台に減少した。これは既報のとおり、29号車オレカでエントリーしていたレーシングチーム・ネーデルランドと、デンマークのハイクラス・レーシングが2台目のエントリーを取り消したためだ。

■WEC世界耐久選手権第3戦『第90回ル・マン24時間レース』暫定エントリーリスト(4月28日付)

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