
第150回九州地区高校野球大会最終日は30日、宮崎市のひなたサンマリンスタジアム宮崎で決勝があった。神村学園は8ー4で西日本短大付(福岡)に勝利し、10季ぶり4度目の優勝を果たした。
次回の秋季大会は、10月に沖縄県で開催する。
◆最速145キロの豪腕攻略
強豪校が顔をそろえる九州大会で、神村学園はチーム打率4割3分を記録した。4試合で計55安打。この日は先発全員安打の15安打と、決勝でも自慢の強力打線を見せつけた。「よく打つわ」。スタンドの野球ファンが、そんな声を漏らすほどだった。
4-1とリードした4回、九州屈指の好投手・江川を引きずり出す。最速145キロの豪腕を神村打線はすぐに攻略した。1点差に迫られた5回、5番富崎、7番福寿が右前打でつなぎ1死二、三塁。外角を狙っていた8番秋元は内角の直球を、腕をたたみながら左前にはじき返し、「うまく体が反応してくれた」。7回には4番花倉の本塁打、6番今岡の適時二塁打でダメ押し点を奪った。
昨秋の県予選は2回戦敗退。打線を覚醒させたのは、冬場の「筋トレ」だ。悔しさを糧に週2、3回のペースで体をいじめ抜いた。上半身と下半身に分けて、ベンチプレスや懸垂、スクワットなど8種類。殊勲打を放った秋元は70キロだった体重を8キロ増やした。
九州王者となった神村ナインが見据えるのは、夏の甲子園での勝利だ。勝利の余韻に浸ることなく、閉会式直後に関西へ向かった。ゴールデンウイークは甲子園常連校と練習試合を重ねるという。福寿主将は「1日7時間打撃練習した成果は出せた。(3失策と)決勝でミスが出てしまったのでノーエラーを目指す」と気を引き締めた。

