ロッテで首位打者 高沢さんが横浜で保育士に 還暦過ぎ資格取得 

保育の現場に立つ高沢秀昭さん=横浜市港北区の大豆戸どろんこ保育園

 1980年代にプロ野球・ロッテで活躍し、パ・リーグ首位打者にも輝いた高沢秀昭さん(63)が今春、横浜市内で保育士として歩み始めた。還暦を過ぎた61歳で専門学校に入り、猛勉強して保育士の国家資格を取得。再スタートを切った高沢さんは「人生で初めて自分が決めたのは保育士の道。体が動く限りは、働き続けたい」と熱く語る。 

 「手は洗った?」

 横浜市港北区の大豆戸どろんこ保育園。「たかざわ ひであき」と書かれたクマの形の名札を胸に、園児に朗らかに語りかける高沢さんは「想像の1.5倍は大変」と忙しく動き回りながら、その顔はやりがいに満ちている。

 新人保育士の高沢さんは、1歳 児が14人いるクラスを若い“先輩”と一緒に担当。かつて、ゴールデングラブ 賞もつかみ取ったその手から、笑顔で午後のおやつを園児に手渡した。

 「嫌なら怒る、楽しければ笑う。子どもは素直で、ストレートなところがいい。喜んでくれたら『よし、やった』と思う。ただ職場はいつも真剣勝負。命を預かる責任感があります」

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