夏近づく八十八夜 神奈川・秦野で新茶摘みピーク 新芽の生育順調「いい出来栄え」

秦野盆地を見下ろす茶畑で新茶摘みを行う高梨さん=秦野市菩提

 立春から88日目に当たる2日、神奈川県内有数の茶の産地、秦野市で新茶の摘み取りがピークを迎えている。今年は冬の寒暖差が大きく新芽の生育も順調で、生産者は「きれいな薄緑色で出来栄えもいい。味の濃いお茶が楽しめる」と太鼓判を押す。

 同市菩提の「高梨茶園」の茶畑では、秦野盆地を見下ろす計約3ヘクタールの斜面に「山の息吹」や「やぶきた」などの茶が植えられている。「収穫は気温が上がる前の午前中が勝負」と3代目園主の高梨孝さん(64)。機械を用いて青々とした新芽を摘み取っていった。

 摘み取った葉は同園の工場で蒸したり乾燥させたりさまざまな工程を経て、今月中旬には園内売店や市内直売所などで販売される。

 この道44年の高梨さんは「今年は冬の寒さがゆっくり続き、新芽はうまみをぎゅっと閉じ込めることができた。みずみずしい一番茶の香りを楽しんでほしい」と話す。

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