「嫌われ監察官 音無一六」小日向文世、遠藤憲一、古川雄輝、小野武彦が明かす“これは譲れない”というこだわりとは?

テレビ東京系で5月6日からスタートする、金曜8時のドラマ「嫌われ監察官 音無一六」(金曜午後8:00。初回は2時間スペシャル)の記者会見がオンラインで開催され、主演の小日向文世、共演の遠藤憲一、古川雄輝、小野武彦、祖父江里奈プロデューサーが参加して、ドラマの見どころや撮影エピソードなどを披露した。

本シリーズは、2013年に第1弾が放送され、全6回のスペシャルドラマを経て、今回待望の連続ドラマ化となる。監察官とは、警察官の職務及び私生活に不正がないかを調べる役職で、「警察の中の警察」の異名を持ち、警察官たちからいみ嫌われる仕事。主人公・音無一六(小日向)は、監察官でありながら捜査にも介入し、鋭い観察眼とひらめきで、これまで難解な事件を解決へと導いてきた。捜査現場を荒らされ、怒り狂う刑事たちの猛抗議にもひるむことなく、己の正義を貫き、わが道を突き進む。また、脇を固める遠藤、田中美佐子、小野、堀内敬子といったおなじみのレギュラーキャスト陣も続投し、古川が新レギュラーとして加わる。脚本は「科捜研の女」や「相棒」シリーズ(ともにテレビ朝日系)などで知られる、戸田山雅司氏が手掛ける。

冒頭のあいさつで、祖父江プロデューサーは「出演者の皆さん、本当に仲がよくてカメラが回っていないところでもお話が盛り上がっているというようなことがよく見受けられます」と語り、スタッフ・キャストの作品愛があふれる現場のムードを伝えた。

小日向も「今までは2時間のスペシャルで、だいたい撮影期間が実質10日間くらいのハードなスケジュールで毎回終わってたんですね。ですからこの『一六』のメンバーと会っても10日間であっという間に終わってしまったのが、こうやって、インしてから2カ月以上経っているんですけど、毎日のようにみんなと会えるっていうのが、本当に今とっても幸せな気持ちであるということと、監督たちがすごい手応えを感じていると言ってくださってるので、スペシャルでファンになってくださった視聴者の皆さんには、きっと喜んでいただけるんじゃないかという思いで、今、5月6日をワクワクする思いで待っています」とスタッフ・キャストとの再会を喜び、期待を込めた。

さらに、「メンバーとは毎回、大笑いしながら、本当に最高のメンバーなので。『みつる』という、小野さんが演じる二宮満さんの経営する居酒屋にみんなが必ず集まるんですけど、そこがまるでファミリーのように、一瞬ホームドラマのような時間を過ごせるのが、楽しくて大好きです。みんなフランクだし、女優陣の田中美佐子さんと堀内敬子さんがとっても明るくて、お二人が入ってくると、笑いが止まらないんですよね。本当に楽しい現場なんです。たぶん、古川くん、ちょっとあきれているんじゃないかな(笑)」と満面の笑みで共演者に対する愛情をにじませた。

一六の実の弟でタクシードライバー・万丈二六役の遠藤は「あんまりここまでね、おじさん・おばさんが出るドラマってないんで(笑)。俺も含めて年取ったおじさん・おばさんがガヤガヤやって、難しいことしゃべったり、ばかなことやったり、なんか不思議なドラマです(笑)」とコメント。

今作から初登場で一六の新たな相棒となる、四堂厘太郎役の古川は「最近は、現場で僕が一番先輩になる機会が多かったんですけど、気付いたら一番後輩になってました(笑)。なので先輩の役者さんがたくさんいらっしゃる現場に僕だけ新しく入るということで、ものすごい緊張してたんです。でも現場の空気感がものすごくよくてですね、僕のことも温かく迎え入れてくださったので、本当に今は楽しく、そして真剣に撮影に挑めています」と話した。

そして、小野は「僕は今年80になるんですけど、主役の小日向くんとは、40の時に初めて知り合いまして、人生の半分、知り合ってから経ちました。その知り合ってから40年の4分の1をこの『嫌われ監察官 音無一六』をご一緒して、かなり長くやってるなという」としみじみと振り返り、「単発で6本、だいたい1年置きにやっていたのがレギュラーになるって珍しいことですよね。つまり、レギュラーでやってたものがスペシャルにとかはよくある話で、これは初めてのケースなんじゃないかなと思って、とてもこの話をいただいた時にうれしく思いました。まあ、楽しくやらせてもらっていただいております」と語った。

撮影中のエピソードとして、遠藤は「俺、ゲラ(笑い上戸)なんで、この前も小日向さんと古川くんとの花さん屋のシーンで、俺から笑い始めちゃって笑いが止まらなくなっちゃって。小日向さんにうつって、最後は古川くんにうつってゲラ大会になっちゃって、監督さんはもう『いい加減にしてくれよ』って顔つきになってんだけど止まんないんだよね。これが多々あるんで、気を付けなきゃなって思ってます。真面目なことをしゃべってる時に小日向さんの顔がおかしかっただけなんだけど。ささいなことで笑い出しちゃうんだよね」と明かす。

それを受けて、小日向が「そんな変な顔をしている記憶はないんだけど。でも、やっぱりね、ギリギリまでくだらない話をしていて、急に本番で真面目な顔してるエンケン(遠藤)の顔とかを見ちゃうと笑っちゃうんだよね(笑)」というと、遠藤も「急変するから、おかしいのかもしれない」と同意。

「その場で思いついたような大した話はしていないんですけど、とにかくみんな、おしゃべりなんですよ。古川くん以外は」という小日向に、遠藤は「いや、古川くんだってスイッチ入れば結構しゃべってるよね」と古川に振ると、古川は「小日向さんは基本的に僕の家族に興味を持ってくださって、僕の家族構成とか、そういう質問をたくさんしてくださって、僕だけ新しいキャストなので、新たに来るほかのキャストさんに『古川くんは、こうで、ご家族はこうで』と毎回説明してくださっています」と小日向の親切心に感謝した。

己の正義を貫く一六の姿勢にちなんで「これは譲れない」というこだわりについて、小日向は「僕は基本的に自宅が唯一リラックスできる場所なので、地方ロケに行っても、例えば関西の方へ行っても帰れる時間には必ず1泊せず日帰りしますね。泊まって観光することもなく、とにかく一刻も早く自宅に帰ってリラックスしたいっていうタイプなので、都内で撮影しても終わったらすぐ帰ります。僕にとっては家が唯一のリラックス場所であり、セリフをしっかり入れる場所なんですね」と明かした。

遠藤は「絶対に抜かないのは朝飯。トーストでもご飯でもなんでもいいんだけど、いまだかつて、仕事に行く時に朝飯を抜いたのは1回だけなの。Vシネマとかやっている時代なんですけど、午前中、着いた時から腹ぺこになっちゃって、『お昼のお弁当まだ? まだ?』って、早飯させてもらって。それ以来、絶対に朝飯は抜かないって。朝4時起きでも食べていきます。朝ご飯が一番大好き」と力強く主張。

古川は「僕のこだわりはお酒ぐらいしかなくて。その日、仕事を頑張った日はいいお酒を飲んで、何もなかった日は安いのを飲んで。グラスと氷にこだわって飲むくらいで、あとはこだわりはないですね。基本、日本のウイスキーが好きなので、(頑張った日は)ちょっといいやつを飲みますね」と述べた。

小野は「テレビや映画、それから、お芝居に限らず、身の危険を感じる、けがをしそうな状況だと思った時は、どんな大監督だろうが、どんな大プロデューサーだろうが、自分の意思で止めます。それだけは譲らずにやりますね。『あれ、大丈夫かな?』と、ちょっとでも疑問がある時は、完全にやめた方がいいと主張しますね。安全が第一だと思っていますので。それ以外は皆さんのいうことを『はい』と素直に聞く、いいおじいさんです(笑)」と現場での危機管理の大切さに触れた。

最後に、小日向が「監察官という警察を監視するというお話なので、やはり今まで、なかなかありそうでなかった題材だと思います。今まで見てくれた方々はもちろん連ドラを楽しみにしていただきたいと思いますし、初めて見る視聴者の方も警察内部を監察していき、事件も解決していくという、そういうお話。一味違ったドラマになっているので、ぜひ楽しんで見てもらえたらと思っております」と視聴へのメッセージとともに、会見を締めくくった。

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