福井の冬は水ようかん…夏も看板商品を 老舗えがわがジェラートなど開発

冬の水ようかんと並ぶ夏の新商品として開発、発売した「水羊かんジェラート」(右)と「水かんてんジュース」。さらなる新商品の開発に着手している=福井県福井市照手3丁目のえがわ

 福井の冬の味覚、水ようかんを製造販売する老舗えがわ(本店福井県福井市照手3丁目、江川茂隆社長)は、福井の夏をPRできる看板商品づくりに取り組み、4月から「水羊かんジェラート」と「水かんてんジュース」の販売を始めた。さらに水かんてんの新商品も開発中で、福井県に特化したクラウドファンディングサービス「ミラカナ」を通じて開発資金を募集している。

 1937年創業の同社は、50年から水ようかん専門店となり長年、11~3月の期間限定で全国に販売。「福井の冬だけの味」を守り続けている。

 福井は冬の味覚が多いのに対し、夏をアピールするような食が少ないとして、観光客の来県につながるような新商品づくりに着手。2020年に、水ようかんの原材料の一部と同県南越前町を中心に栽培されているブランド梅「黄金の梅」などを使った「水かんてん」を開発した。

 22年4月に発売した水かんてんジュースは、黄金の梅入りの水かんてんにシロップと炭酸水を加えたもの。水かんてんのつるんとした食感を生かし、甘酸っぱくスッキリとした味わいに仕上げた。水羊かんジェラートは、夏場でも水ようかんの味を楽しんでもらおうと開発。ミルクジェラートを混ぜ合わせており、電子レンジで少し溶かして練って食べるのがお薦めという。

 両商品とも本店限定の販売となる。水かんてんジュースは1杯400ミリリットルで税込み400円(大学生以下350円)。水羊かんジェラートは1個104ミリリットルで350円。現在開発中の水かんてんの新フレーバーも、夏までには販売開始したい考え。

 クラウドファンディングの目標額50万円を達成し、6月8日まで支援を募集している。支援者への返礼(リターン)として、水かんてんなど11種類を用意している。

 【ミラカナ】福井県に特化したクラウドファンディング(CF)サービス。県内でさまざまなプロジェクトを始める人の資金調達を応援するプラットフォームとして2018年に福井新聞社、福井銀行、レディーフォーが連携して始まった。21年から福邦銀行が事業に参画し同年、累計支援額が1億円を突破した。

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