「ウクライナの惨状が重なる」「自分事として戦争を」広島・原爆資料館の対話ノートに来館者の声

ロシアによるウクライナ侵攻が始まって2か月余り…。広島を訪れた人たちが思いを書き記すことができるノートには、早期終結や平和を願う声が残されていました。そのノートは原爆資料館に置いてあります。核の脅威が再び現実味を帯びる中、被爆地を訪れた人たちは何を思ったのでしょうか?

原爆資料館「対話ノート」より
「ウクライナの人々のことを考えずにはいられません。核なき世界を。」

RCC

英文とともに「核兵器はいらない」と訴えています。1冊のノートには、平和を願う声があふれていました。

寺岡俊記者
「原爆資料館の一角には、展示をみた感想や平和への思いをしたためる対話ノートが置かれています」

RCC

原爆資料館の本館と東館に置かれている「対話ノート」です。来館者が展示を見て感じたことや平和への願いなどを思い、思いに書いています。

ことし2月24日、ロシア軍がウクライナに侵攻しました。このとき、資料館は、新型コロナの感染拡大により、休館していました。

3月7日に再開すると、対話ノートには広島の惨状とウクライナの惨状が重なったという感想が多く寄せられていました。

RCC

対話ノートより
「昨今のウクライナ情勢と比べてしまい、改めて戦争の悲惨さや無実の人々が犠牲になってしまうことに対しての怒りがこみ上げてきました」

RCC

対話ノートより
「世界中の人にここに見に来てもらいたい。今、一番見に来てほしい人はただ1人!」

RCC

ウクライナへ侵攻した当初から、核兵器の使用を示唆し続けるロシアのプーチン大統領に、被爆地を訪れて現実に触れてほしいという声も多数ありました。

■「行動する勇気を持って前に進みたい」若い世代の決意も

RCC

世界情勢が緊迫しているからこそ平和公園や原爆資料館を訪れようと思った人も多くいます。

長崎出身の大学生
「1年ぐらい前は、こんなことはもう起こらないのかなと思っていたのに、急に起こり始めて、驚いているし、怖いなと映像とかみても思う。これ以上、核兵器を落とされて、平和教育をするような都市が増えなければいいなと」

東京からきた男性
「二度と原爆というのは使用してほしくないですね。ウクライナのことがあるので、結構切実に感じてます」

東京から孫と一緒に来た男性
「(知識として)こういう現状を知っていたんですが、現実に見ると、もう言葉では言えない。人生も、あるいは国もある意味では奪ってしまう。そんなことは、人間同士でやることじゃない」

対話ノートには、若い世代の決意が込められた書き込みもありました。

RCC

対話ノートより(17歳の高校生)
「ロシアとウクライナの戦争が始まって本当に『過去の物』『人事(ひとごと)』ではなく、自分事として戦争を考えるようになりました。高校生の私も微力ながら、できることである「反戦の声」を広めようと活動しています」

RCC

対話ノートより(19歳の学生)
「広島の惨状と、ウクライナの惨状とか重なり、来館が遅すぎたのかもしれないと、ひどく反省した。行動する勇気を持って前に進みたい」

RCC

対話ノートにはきょうも来館者の思いが書き加えられ続けています。

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