宇宙飛行士の募集に福井県の小学1年生が“挑戦”…エントリーシートにぶつけた熱い思いにこたえたJAXAからの返事とは

JAXAからのメールを手に喜ぶ大森陽生君。右下は応募に使った自己アピールの書類=福井県鯖江市

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が13年ぶりに行っている宇宙飛行士の募集に、福井県鯖江市の小学生が“挑戦”した。応募資格は満たしていないが、宇宙への夢を伝えたいと書類を郵送。JAXAから将来へのエールやアドバイスのメールが届き、「応援されているような気持ちになった」と喜んでいる。

 児童は鯖江市神明小2年の大森陽生(はるき)君(8)。3歳のときに訪れた県児童科学館で宇宙に興味を持ち、2021年に中学生レベルの天文宇宙検定3級に全国最年少の6歳で合格。福井県が主導した超小型人工衛星「すいせん」の打ち上げも熱心に応援した。

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 宇宙飛行士の応募書類を送ったのは1年生だった今年1月。「生まれて初めて行われる募集。挑戦したいと思った」

 エントリーシートの役職欄には「下校班の班長、算数班リーダー」、賞罰欄には「小学校のマラソン大会6位」。志望動機は「宇宙開発に携わって、人類の生活を便利にさせたい。(米国主導で開発する月周回基地)ゲートウエーの計画にも興味があり、人間の文明を継続させるための研究がしたい」と記した。中学・高校レベルの数学を勉強中で、微分・積分や三角関数、虚数など分野ごとに10ページほどの手書きの解説本を作っており、「数学の本を13冊書きました」などと英語で自己アピールした。

 実務経験や身長などの応募資格を満たしておらず、応募もウェブからの正式エントリーではなく郵送だったが、3月に思いがけずJAXAの担当チームからメールが届いた。

 メールの文面は、夢に向かってチャレンジする姿や力作の書類を「とても熱意が伝わりました。素晴らしいです!」と称賛。宇宙飛行士や天文学者になるには、▽勉強やスポーツを頑張る▽学校の先生や親との約束を守る▽好き嫌いをせずにご飯を食べて健康でいる―の全てが必要と助言。「またいつか、頑張ってきたことを教えてくれることを楽しみにしていますね!」とエールを送っている。

 陽生君はメールを眺め「応募してみた価値はあったと感じました。(アドバイスは)これからも実践します」と誓っている。

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