記念碑前で初の集会 長崎原爆青年乙女の会 核廃絶への願い、後世に

「長崎原爆青年乙女の会」が結成40年の節目に設置した記念碑(右上)の前に集った会員ら=長崎市平野町

 長崎で被爆11年後に結成された「長崎原爆青年乙女の会」が4日、長崎市平野町にある同会の記念碑前で集会を開いた。会員の高齢化で活動が難しくなる中、被爆者運動の「源流」として、長年取り組んできた被爆証言や核兵器廃絶運動を後世に受け継ごうと初めて企画。被爆2世や若者らの協力を得て、来年以降も毎年の開催を目指す。
 1956年、以前から活動していた「長崎原爆乙女の会」と「長崎原爆青年の会」が合併し誕生。国内外の原水爆禁止大会や軍縮会議で核兵器の非人道性を訴えてきた。だが小峰秀孝会長(81)によると現会員の被爆者は20人に満たず、近年は活動できていない。
 記念碑は結成40年の節目に建立し、近くには核兵器廃絶が実現したときに開けるカプセルを埋めたという。集会には会員を含む約50人が出席。小峰会長は「核兵器廃絶運動を若い世代に担ってほしい。カプセルを開ける時まで、この歩みを止めないと碑の前で誓いたい」とあいさつした。
 車いすで訪れた会員の松谷英子さん(80)は、久々に仲間と会い「元気な顔を見られてうれしい」と笑顔を浮かべた。中学卒業後に入会し、先輩会員との交流の中で「被爆者運動に参加している」と実感が湧いたという。ロシアのウクライナ侵攻にも強く反対し「若い世代も被爆者の苦しみを知り、二度と核兵器が使われないようにしてほしい」と願った。

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