打撃不振に苦しむカブス・鈴木誠也 ロス監督は「彼は適応中だ」と擁護

開幕2週目の週間MVPに選ばれ、4月のナショナル・リーグ月間最優秀新人を受賞するなど、好スタートを切った鈴木誠也(カブス)。しかし、開幕直後の勢いは長続きせず、最初の11試合では打率.414、4本塁打を記録したものの、その後の13試合では打率.157、0本塁打と打撃不振に苦しんでいる。デービッド・ロス監督は「このリーグはアジャスト(調整)のリーグなんだ。彼も今、相手投手に対して適応中なんだよ」と鈴木を擁護。鈴木自身も「シーズンは長い。今やっていることを継続していきたい」と前を向いている。

鈴木は今季ここまで24試合に出場して打率.250、4本塁打、15打点、出塁率.365、長打率.475、OPS.840を記録。開幕直後の4割を超えていた打率は.250まで下がってしまったものの、OPS.840というのは決して悪い数字ではない。今季は「投高打低」のシーズンとなっており、鈴木の成績はメジャー平均(打率.232、出塁率.306、長打率.370、OPS.676)を大きく上回っている。

最初の11試合とその後の13試合の成績を比較すると、三振と四球の比率が大幅に悪化し、速球が打てなくなっていることがわかる。また、空振り率が上昇し、ストライクゾーン外のボールに手を出すケースも増えている。相手投手の投球割合を見ると、ここ2週間でカーブ、チェンジアップ、カッターが増え、高めの速球で攻められるケースも多くなっている。

ただし、鈴木は投手の攻め方について「(開幕直後と最近で)それほど大きな違いはない」と語る。ロス監督も鈴木の発言を否定しておらず、打撃不振の原因は投手の攻め方よりも鈴木自身のタイミングの問題であると考えているようだ。鈴木はメジャーリーグの投手に適応するために打撃フォームに様々な微調整を加えており、グレッグ・ブラウン打撃コーチは「シーズンの終わりには、彼が残すべき数字が残っていると思う」と必要以上に心配せず、鈴木の実力に信頼を寄せている。

メジャーリーグの世界はアジャストの繰り返しである。開幕直後に猛打を見せた鈴木に対して相手投手がアジャストし始め、今度は鈴木がそれにアジャストする番。最初の試練に直面している鈴木だが、ここを乗り越えられれば、再び開幕直後のような活躍が見られるはずだ。

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