県高校総体前特集 バスケットボール女子(2) テッペンを目指す中津北、伝統校の味わいを醸し出す

バスケットボールの夏の高校王者を決める全国高校総体(インターハイ)に向けて、県予選がおよそ1カ月後に控える。3月の県高校新人大会で上位となった実力校の現在地を探った。

女子の第2回は、直近10年の県内主要大会で最も優勝回数が多い中津北。ここ1年は大分に女王の座を渡したが、復権に燃えている。

■昨年度の主な成績■

県高校新人大会 準優勝

全国高校選手権県予選 ベスト4

県高校総体 準優勝

昨年度は県内の主要大会で無冠に終わったが、県内随一の強豪校として名に恥じることはない。他校をしのぐ練習量、鍛え上げた走力と守備力、個人練習で何万本と打ったシュートは高い成功率を誇る。大津留礎監督は「ウチには天才はいない」と言うが、努力の天才たちが集まる集団が中津北だ。

昨秋の全国高校選手権県予選に敗れてから、大津留監督は「これまでと選手へのアプローチを変えた。選手の自主性に任せている」と話すが決して野放しではなく、しっかりと方向性を示し、その過程を選手が話し合い、答えを導く。キャプテンの峯佳乃子(3年)は、「自分たちで考えることで先生(大津留監督)と意見交換できる。収穫も課題も自分たちで見つけやすくなった」と話す。

復権を目指す中津北

南九州四県対抗選手権大会(4月23・24日、中津市)では各県2位リーグに出場し、1勝2敗で負け越したが、「勝負どころを共有できた。ディフェンスからシュートまでの流れも良くなった」(大津留監督)。タイムアウト時には劣勢な状況を打破しようと峯を中心に活発な意見交換で修正した。峯は「新しい課題は出たが、これまで積み重ねたことができると分かった」と振り返る。

伝統のオールコートゾーンプレスで強豪校を苦しめた。先輩たちから受け継がれている、気合のスイッチを入れる際に低い姿勢をとり、両手でコートをバチッとたたくパフォーマンスも様になってきた。県高校総体までに頂点を目指すための雰囲気づくりの一環として、大分県で一番高い九重山に登るという。峯は「頂上まで登ったときに、どんな景色が見られるのか楽しみ。もちろん県高校総体でもテッペンを目指して、優勝を味わいたい」と話した。

選手とベンチワークが一体となって勝利を目指す

(柚野真也)

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