記者の上越推しスポット〈8〉上越の海 海の美しさを再認識

 糸魚川から上越へ、海岸線が続く国道8号を車で走る。目線の高さに広がる日本海。今の季節、窓を開ければ潮の香りと爽やかな風が心地よい。

 上越市内に入り、茶屋ケ原の自動車待避所に車を止める。春にはイルカの群れが見られる場所でもある。景色を遮るものはなく、どこまでも続く大空と、水平線だけ。目線を右にやれば優雅な山容の米山や、直江津の火力発電所、LNG基地が望める。

上越市茶屋ケ原から米山、直江津の火力発電所などを望む

 車の往来が途切れ、一瞬訪れる静寂。波音だけが響く。

 眼下の海をのぞけば波間に揺れる海藻が見え、その透明度に驚かされる。海の色は手前が緑色、水平線の際は紺色と、2色に分かれている。日光にきらめく海は、それまで心と頭を占めていた日常の慌ただしさや悩み事を忘れてしまうような美しさだ。

 これまで取材をする中で、上越の海の美しさに魅了され、内陸の県や国から移住したという方々に複数人、お目に掛かった。

 普段はその存在を当たり前に思い、意識せずにいた上越の海。立ち止まって眺めることで、彼らの言葉がふに落ちた。その美しさに気付くとともに、とても恵まれた環境に暮らしていることを実感した。

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