大切なのは、収入よりも幸福度。コロナで二極化したフリーランスの実態

経済産業省からの「事業復活支援金」の給付がスタートし、フリーランスや個人事業主も対象になっています。コロナから2年が経ち、フリーランスの働き方にも影響が出ているようです。収入が減って転職した人、逆に増えた人。二極化するその実態について、アブローダーがまとめます。

「コロナになって仕事が減った」「収入が減って転職した」という話をよく聞くようになりました。特に「フリーランスは収入が減った」という人も多いです。

今回は、収入アンケートの結果を引用しながら、働き方の変化を紹介します。特に、現状の仕事に違和感をおぼえている社会人が新たな働き方を考えたくなる内容をまとめます。

フリーランス37%収入減

「フリーランスは収入が減った」という話をよく聞きます。コロナの影響を受け、フリーランスも転職したり、これまでとは違う事業に転換した人も多いです。

毎日新聞に掲載された『フリーランス、37%がコロナ前より収入減 新規案件獲得困難に』 https://mainichi.jp/articles/20220329/k00/00m/040/214000c のフリーランスへのアンケートを紹介した記事によると『新型コロナウイルスが流行する前に比べて収入の減少が見込まれると答えた人は全体の37%』とのことでした。

世界的に影響があったコロナウイルスによって、4割近くのフリーランスがコロナによって収入が下がったようです。これは個人にも企業にも言えること。コロナ禍で業績が下がった企業もあるように、経済全体に影響があったのは言うまでもありません。

収入が減ったフリーランスと増えたフリーランスの違い

最近、僕のまわりのフリーランスは収入が「減ったフリーランス」と「増えたフリーランス」に二極化しています。

コロナによって世の中がガラッと変わったからこそ、その波に乗って収入を増やした人もいます。例えば、企業のウェブサイトをつくる事業やライブ配信の動画制作をするフリーランスは仕事がかなり増えたようです。

逆に収入が減ったのは、コロナを理由に行動できなかったパターンでした。僕自身、コロナを言い訳に仕事をしない時期もありました。結局、行動していなければ面白いことも起きないし、新しいビジネスのアイディアもふってきません。

結果が出ている人ほど「コロナ後の未来を想定してビジネスを準備していた」「2年後を予測して伸びる仕事を仕込んでいた」ように感じます。行動し続けた人ほど、今もバリバリ仕事を伸ばしています。

コロナ禍のフリーランスの年収をグラフで比較

僕の事業はコロナを受けて「仕事は減った」ものの、収入は上がりました。仕事を整理し、利益を残すためのビジネスモデルにシフトしたことが影響しました。

実際、コロナの影響を受けて僕の売上と利益は上がりました。実際に売上と利益の推移をグラフにしてみたのですが、綺麗な右肩上がりです。

コロナの影響を受けて「収入が減ること」がよぎったため、収入が減っても利益が確保できる動きを意識しました。余分な仕事を整理し、自分がやりたい仕事に注力しました。

以前、『福岡でサイドFIREするメリット/デメリット!投資で資産が暴落しても生活できる理由』https://fukuoka-leapup.jp/biz/202110.342 の記事で紹介したように、「やりたい仕事」を重視するようになった結果、売上も利益も右肩上がりになりました。

ただ、ビジネスをする以上、安定的思考は停滞を意味します。2021年度までは綺麗な右肩上がりのグラフができたかもしれませんが、今後、右肩下がりになる可能性も大いにあります。

『福岡でサイドFIREするメリット/デメリット!投資で資産が暴落しても生活できる理由』

不運な人と幸運な人

コロナによって不運にも収入が減った人と幸運にも増えた人が出てきました。結局のところ、「運」も必要です。

『セレンディピティ 点をつなぐ力』の著者、クリスチャン・ブッシュさんは、不運な人と幸運な人をこのように解説しています。

『不運な人は運を良くしようと効果のない方法に頼る傾向があることも示している。たとえば迷信に頼ったり、占い師に相談にいったりといったことだ。

一方、幸運な人は状況を把握し、そこから何かを学ぶために問題の根本原因を突き止めようとする。』

「コロナのせいで収入が下がった」「パンデミックさえなければ行動してたのに」と言い訳できることはたくさんあります。ただ、実際に行動できなかったのは自分自身です。

『自分がコントロールできる要素に意識を集中すれば、運に主体的に関与できるようになる。』と書かれているように、結局、自分がコントロールできることを続けることが必要です。

年収や売上増加を目指す人と幸福を求める人

ここまで「年収」や「売上」といった指標を見てきました。ただ、この記事を書いていく上で一つ疑問に思ったことがあります。それは年収や売上の変化が、自分の人生を幸せにするかどうかです。

幸福度研究として有名な行動経済学者のダニエル・カーネマンさんらの年収に関する研究によると『年収が800万円を超えると幸福度にさほど影響が表れない』ことが述べられています。

大前提として、お金は生活に必要です。ただ、年収の増減は、一見、人生に必要な指標のように「思い込んでいるだけ」で「さほど重要でもない」という見方ができます。

何が言いたいかというと、年収や売上を比べたところで幸せにはならないという話です。

幸福度を上げる生き方をめざす

生きる上でお金は必要ですが、「収入が減った」「収入が増えた」と一喜一憂しすぎるのもよくありません。もっと「自分がコントロールできること」を意識する必要があります。自分の人生における幸せとは何か、自分自身で考えるという意味です。

幸福度を上げる生き方をする上で、住む場所を考えることも面白いです。僕が福岡生活が好きな理由は、幸福度を高めてくれる場所だからです。

早起きして散歩して好きなカフェで読書をするのもいいし、海のきれいな島でゆったりするのも面白いです。美味しい料理を安く食べることができたり、家族との大切な時間を過ごすのも幸せの一つです。

例え「収入が減った」としても、物価が安い福岡なら幸せ度合いを上げることを意識して生活ができます。

結局、人生は試行錯誤

年収や売上は世の中で求められている指標かもしれません。ただ、これらの指標は間違っていると疑う見方もおすすめです。理由は、年収や売上を比較することが幸せに直結するわけではないからです。

要するに、人生の本質をとらえることが重要です。幸せに暮らすことが本質だとすると「年収を上げる働き方」ではなく「幸福度を高める働き方」を目指すのも面白いです。

クリスチャン・ブッシュさんは『セレンディピティが単に私たちの身にふりかかる偶然ではなく、実は点と点を見つけ、つないでいくプロセスだと理解すると、他の人には越えがたい断絶しか見えないところに橋が見えてくる。するとセレンディピティが身のまわりで次々と起こるようになる。』と述べています。

何が起こるかわからない時代だからこそ、行動や経験といういくつもの「点」を「線」で結ぶように働くのが良さそうです。試行錯誤を繰り返しながら自分が幸せだと思う生き方を選べばいいわけです。

▶アブローダーの記事の更新情報をFacebookで受け取りたい方はこちら!

© 株式会社えんメディアネット