佐藤春夫しのぶ御供茶式 生誕130年、故郷の新宮で

佐藤春夫の命日に開かれた「御供茶式」=6日、和歌山県新宮市

 和歌山県新宮市出身の作家、佐藤春夫(1892~1964年)を命日にしのぶ「御供茶式」が6日、世界遺産・熊野速玉大社の境内にある市立佐藤春夫記念館で開かれた。新型コロナウイルス禍で中止が続いたが、今年は生誕130年でもあり、3年ぶりに復活となった。

 記念館によると、佐藤は帰郷の際に速玉大社で知人らと茶を楽しんでいたという。式では、詩を朗読する佐藤の肉声の録音が流れる中、地元の茶道愛好家らが茶を立てて遺影に供えた。コロナ感染予防のため、見物人らへの茶の振る舞いはやめた。

 佐藤は、東京都文京区の自宅でラジオ番組を収録中に心筋梗塞を発症し、死去した。

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