100匹以上の釣果「キスの束釣り」は、偶然では達成できず。気力、体力は当たり前…5点仕掛けで手返しよく「連釣り」をクロエビスの釣果アップ講座

頴娃海岸での約150匹の束釣り

(クロエビス・浜村建夫=南九州市在住)

 「束(そく)釣り」とは100匹の釣果を得ること。普通にキス釣りに出掛けて運よく爆釣になったとしても100匹も釣るのは至難の業。というのは束釣りは偶然の成り行きでは達成できるものではないからだ。それなりの下準備が必要で、エサは通常の2、3倍の量、クーラーボックスは2個以上、氷も増量しなければならない。何より肝心なのは気力と体力である。100%の確信を持った上での挑戦でなければ全ての準備が無駄になる。

 束釣りに絶対必要なのが「連釣り」。連釣りとは同時に複数匹釣ること。しかも2匹3匹ぐらいでは束釣りは程遠い。以下は私見。束釣りには5点仕掛けが最適かと。それ以上は手返しに時間を取ってしまい、おまけに仕掛けのもつれ等トラブルの原因となる。リーリングは巻き取りだけではよろしくない。ロッドでスーッと仕掛けの長さくらいの距離を引くか、リーリングした後、そのままラインのテンションをキープした状態で数秒間静止してアタリを待つ。この静止時にエダスが開くのでキスが食い付きやすいのだ。

 最初の1匹をフッキングできたら、シンカーはそのまま動かさず仕掛けのテンションのみをリセットし次のアタリを待つ。その後も小刻みに仕掛けの移動と静止を繰り返すと連釣りが成立する。バラシが不安だったら、もっと小さい針に替えたりロッドを垂直に立て気味にしたりする。時々針先が開いていないか確認しよう。束釣りは状況判断力、技術力、集中力など釣りのあらゆる能力が試される。

 干潮が進むとアタリが突然パタッと止まり、大抵の釣り人はここであきらめてしまう。ところが、「遠投」はこの時のためにあるようなもので、キスが退避している沖の深場に投げ込めば爆釣することがある。この「干潮釣り」はポイント域が狭いので超スローリーリングで攻める。

 年々変わりゆく釣り環境に旧態依然の概念やスタイルは通用しづらくなった。釣り場の設定、状況分析、仕掛け作り、釣法などのソフト面を変革していく必要がある。

吹上浜での干潮釣りと連釣り

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