栃木県内女子2人目、サッカー・A級指導者資格を取得 宇都宮出身・松本千晶さん

ヴェルフェ矢板の女子選手を指導する松本さん=リアンビレッジ矢板

 宇都宮市出身で国際医療福祉大助手の松本千晶(まつもとちあき)さん(29)が1日、日本サッカー協会のA級指導者ライセンスを取得した。アマチュアトップの資格で、県内女子では女子プロリーグ「WEリーグ」理事の手塚貴子(てづかたかこ)さん以来、2人目。理学療法士、研究者としての顔も持ち「自分が学んだことや経験を現場に還元できるようにしたい」と女子サッカーの発展を強く願っている。

 松本さんは中学1年でサッカーを始め、主将を務めた宇都宮女高では主にDFでプレー。卒業後は理学療法士を目指し、国際医療福祉大に進んだ。

 指導者ライセンスは大学時代にC級を取得。小学生サッカースクールのアルバイトを始め「やるならきちんと教えたい」と感じたのがきっかけだ。

 東京都内の病院に就職した後にB級を取り、年代別の都選抜女子チームを指導。2020年は全日本大学女子選手権で優勝した帝京平成大で一時、コーチを務めた。

 昨年、同協会が開く講習会に参加し、大学生の試合で指揮を執るなどの実技試験を経て合格した。A級の中でも最上位の「ジェネラル」を取得。Jリーグのコーチのほか、日本フットボールリーグ(JFL)なら監督になることもできる。

 1日時点の取得者数は1935人で、女子は60人のみ。競技人口が少ない女子では、特に貴重な存在だ。

 WEリーグの監督に「憧れはある」と言うが、今は研究者としての道を優先する。

 昨春、同大に戻り修士課程を修了。「女子サッカーの研究を続けて、何らかの形で貢献したい」と、まずは博士号の取得に力を注ぐ。

 現在はヴェルフェ矢板の女子チームコーチとトップチームのトレーナーを兼任。「試合で結果が出る時が指導者冥利(みょうり)に尽きる瞬間」と言い、「根本的に自分がサッカーが好き。好きで始めた人には同じように、長く携わってもらいたい」と次代を担う選手たちと向き合っている。

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