中禅寺湖畔にグランピング施設整備へ ロッジやシェルター型計14サイト予定 東武鉄道など来夏開設

キャンプ場新設が計画されている中禅寺湖畔の砥沢地区(環境省日光国立公園管理事務所提供)

 地域の磨き上げを図る環境省の日光国立公園満喫プロジェクトの一環として、東武鉄道などが奥日光・中禅寺湖東岸の砥沢(とざわ)地区に豪華なキャンプ「グランピング」施設の整備を計画していることが、6日までに環境省などへの取材で分かった。2023年夏にオープンする予定で、新型コロナウイルス禍を受けたキャンプブームの新たな受け皿となりそうだ。

 整備予定地は東武鉄道の所有で、湖岸沿いの自然林に囲まれた環境にある。県が譲り受けて改修し一般公開している英国、イタリアの両大使館別荘記念公園に近い。周辺では19年、湖で遊覧船を運航する東武鉄道グループの東武興業(東京都墨田区)が遊覧船の桟橋を整備した経緯がある。

 東武側が地元住民らに行った説明によると、新施設はキャンプ場の企画・運営を手掛けるRecamp(リキャンプ、東京都目黒区)が運営する。ロッジやシェルター型の施設計14サイトを整備する計画で、収容人員は約60人。今夏には期間限定開設も検討されている。

 リキャンプは国立公園オフィシャルパートナー。足利市内の1施設を含む9道府県で計18施設のキャンプ場を運営する。東武鉄道広報部は取材に「現段階で公表できる情報はない」としている。

 環境省日光国立公園管理事務所によると、中禅寺湖畔でキャンプ施設が現在あるのは菖蒲ケ浜(しょうぶがはま)だけで、家族連れや若者、自然学習を目的とした団体などが主な利用者となっている。以前は千手ケ浜(せんじゅがはま)と阿世潟(あぜがた)にもキャンプ場があったという。

 同省や県などが昨年3月にまとめた同プロジェクトの第2期行動計画は、中禅寺湖畔での取り組みの一つに、民間事業者による「上質なアウトドアリゾート空間の整備」を掲げていた。

 整備予定地は自然公園法の「第1種特別地域」で、景観を極力保護することが求められている。同省は2月、キャンプ場整備が「湖畔の活性化」につながるとして、計画を中央環境審議会自然環境部会の小委員会に諮問し、「適当」との答申を受けた。

中禅寺湖畔のキャンプ場新設計画

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