レッドブル&HRC密着:ミスでポールを逃すも、フェラーリを大きく上回る最高速に自信「追い抜きの余地はある」

 F1第5戦マイアミGPの予選Q3の最後のアタックに入る前、暫定ポールポジションの座に就いていたのは、Q3の1回目のアタックで1分28秒991をマークしていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)だった。2番手のシャルル・ルクレール(フェラーリ)との差は、1000分の64秒という僅差だった。

 最後のアタックはルクレールのほうが先で、ルクレールは自己ベストを更新。1分28秒796をマークして、暫定ポールポジションの座をフェルスタッペンから奪う。一方、フェルスタッペンはアタックラップを開始した直後の4コーナーでバランスを崩し、アタックを断念。カルロス・サインツ(フェラーリ)もフェルスタッペンのタイムを上回り、フェラーリがフロントローを独占した。

 しかし、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、逆転のチャンスはあると信じている。

2022年F1第5戦マイアミGP クリスチャン・ホーナー代表(レッドブル)

「我々のクルマはフェラーリとはまったく違う。彼らのマシンはダウンフォースが大きいため、コーナーでは我々よりも速いが、ストレートでは我々のほうが速い。だから、レースでオーバーテイクする余地はまだまだある。いいレースにしたい」

 ホーナーが言うように、このマイアミ・インターナショナル・オートドロームでのレッドブルのマシンはストレートで速く、予選の最高速はトップがセルジオ・ペレスの時速334.6kmで、2番手もフェルスタッペンの時速334.3kmだ。これは3位のアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)以下を時速4km以上離す、圧倒的なスピードだった。

マイアミGPの予選で最高速となる時速334.6kmを記録したペレス

 一方、フロントロウを獲得したフェラーリのトップスピードは、ポールポジションのルクレールが時速325.6kmの13位で、チームメイトのカルロス・サインツに至っては時速323.0kmの18番手だった。つまり、ストレートではルクレールよりも約時速9km速く、サインツに対しては時速にして10km以上もレッドブルの2台のほうが速い。

 これは、高速コースの第2戦サウジアラビアGPと似ている。あのときもレッドブルの2台が最高速で1-2体制で、フェラーリ勢より時速約7km速かった。そして、その結果はセーフティカー導入をうまく味方につけたフェルスタッペンが予選4番手から逆転優勝を飾っている。

 フェルスタッペンは言う。

「僕たちのマシンはトップスピードが優れている。だから、レースでは大きなチャンスがあると思う。日曜日が楽しみだ」

2022年F1第5戦マイアミGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

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