伊勢原の「雨岳民権の会」 自由民権運動研究で表彰 地域最大の政治結社「湘南社」の実態明らかに

伊勢原市の髙山市長(前列左から2人目)に江村栄一記念賞の受賞を報告した豊氏(同3人目)ら雨岳民権の会のメンバー=市役所

 自由民権運動の優れた研究者や団体を表彰する「江村栄一記念賞」が創設され、「地域研究・顕彰活動賞」の第1回受賞者に伊勢原市の「雨岳(うがく)民権の会」が選ばれた。文献を基に実地調査を行う活動が評価され、メンバーは「地道な活動が評価されるとは思いも寄らなかった。今後も郷土の誇れる歴史を掘り起こしていきたい」と喜びを語った。

 同会は同市上粕屋の「雨岳文庫」を拠点に活動。1881年に伊勢原や平塚などの豪農が出資した地域最大の政治結社「湘南社」について、資料を基に実態を明らかにしてきた。雨岳文庫は湘南社の社長山口左七郎の自宅で、今も多くの資料が残る。自宅は民権家たちにも開放され、夜を通して勉強したり議論が交わされたりしたという。

 江村栄一氏(1931~2007年)は法政大名誉教授で自由民権運動研究の大家として知られる。20年2月に記念会が発足し、研究発展と後進育成などを目的に賞が創設された。昨年12月に第1回の受賞者や団体が選ばれた。

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