米国株の下落局面で投資の神様・バフェットはどこに投資しているのか?

今年に入り米国株式市場の下落が続いています。昨年末から4月末までにNYダウは9%、ナスダックは21%下落、ロシアによるウクライナ侵攻や米国の利上げ懸念、中国の新型コロナウィルスの拡大による経済減速懸念など様々な理由が挙げらています。

なかでも、2020年4月から続く超金融緩和政策の転換が最大の理由であると感じています。


米国株の下落要因は?

2020年に世界的に大流行となった新型コロナウイルスによって経済活動が止まり、株価は短期間で過去に例のない下落となった事を背景に、世界の中央銀行は利下げを開始し、国債の無制限買い入れなど、様々な対策を講じました。そうした対策により、世界経済は持ち直し、失業率も新型コロナウィルス感染拡大前の水準まで回復してきました。

昨年までは利下げと無制限の国債買い入れの対策で市場にはマネーが溢れ、その勢いで価格上昇をもたらしました。また、行き場を失ったマネーは仮想通貨や商品市況にも波及しました。

そこで、米国FRBは昨年秋から量的緩和政策を段階的に引き下げ、今年3月に終了させました。また、利上げも実施し、インフレ抑制を講じています。そうした意図的な調整とも呼べる中央銀行の政策が、株価の下落を招く要因の一つになっています。

そうした、下落相場が続く中で、先週気になるニュースが報じられました。

バフェットが説く投資マインド

著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイが、年次株主総会の中で、積極的に株式の購入に動いている事が報告されました。昨年までの上昇相場の中でバークシャー・ハザウェイは手元の資金を増加させており、動向が注目されていました。

購入銘柄は、米エネルギー大手オクシデンタル・ペトロリウムや石油メジャーのシェブロン、米パソコン大手ヒューレット・パッカードなどです。今年3月末までの手元資金は1060億ドルと21年末から400億ドル減少しており、1月から3月の3ヵ月間に400億ドル(約5兆円)の株式を購入した計算となります。

ここで、ウォーレン・バフェット氏が過去語られた言葉の中から投資のヒントを探っていこうと思います。

「ただ一つ言えるのは、他人が慎重さを欠いているときほど、自分たちは慎重に事を運ばなければならないということです」

相場が下落すれば、冷静さを失った状況で売買する事が私もあります。常に精神状態を保つ重要性を説かれているように思います。

今回の総会の中で、現在の相場は、投機熱が市場の不安定な動きを招いていると指摘され、また「オプション」を使った取引を促した結果、株価の方向に賭けるような売買が増えた「賭博場」と説明されています。現在の株式市場は機械的な売買が主流となり、凄まじい速さの値動きとなっています。秒単位での戦いが行われている事実は否定出来ません。

さらに、「買うのは企業、株ではない」「投資は力仕事ではない。人一倍、読み、考えなくてはいけない」とも語られています。

前途したように、現在は機械的な売買が主流です。ですが、それは短期的な値動きであり、中長期の投資をする上では、企業の分析を他者以上に行う事が収益の向上につながると考えています。


デジタル時代になり、マバタキも出来ない程の速さで取り引きされる今日ですが、根本的な部分は変わっていない事を教えられた気持ちがしました。

それと同時に株式の売買だけでなく、何事も慎重に行動をする事で様々な失敗が防げるのではないかと思いました。

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