様々な伝説が残る三好市祖谷地方だが、ここには実際に記録の残る由緒ある建物も多く残っている。今回は築250年を超える武家屋敷を訪ね、その史実と屋敷近くの伝説とを紹介する。
【前回までの記事はこちら】
武家屋敷 旧喜多家 パート1 秘境祖谷で最も大きい屋敷を訪ねる
武家屋敷 旧喜多家 パート2 阿波国 祖谷山の政所
ここにも残る平家伝説~屋島の戦いで敗れた平国盛と幼い安徳天皇が落ち延びてきたといわれる徳島県三好市の大枝集落
徳島県三好市東祖谷、大枝集落。
ここはまた、平家伝説の場所でもある。山をいくつも越えて、平家が祖谷に入ってきた集落だとも言われている。
旧喜多家と合わせて訪れたい 伝説の神社 鉾神社
そんな平家の伝説を裏付けるかのように、「武家屋敷 旧喜多家」のすぐ下には、「鉾神社」と「鉾杉」がある。
平国盛が神社を建立、鉾を奉納し、また、平家の再興を願って杉を植えたとも伝えられている。
神社の年月を感じさせる狛犬や集落の人が手で彫ったという手水石、その先にひっそりと木々に囲まれて鉾神社がある。
巨木 鉾杉 四国で2番目の大きさとも言われ、パワースポットとしても人気
神社から少し先へ進むと、そこには樹齢800年を超えるという「鉾杉」がある。別名、国盛杉。
高さ約35m、周囲11m、その大きさは迫りくるものがある。無数に伸びる枝が普通の杉の幹の太さほどある。これは、四国で二番目に大きい杉と言われている。
伝説と相まって、周辺は神秘的な雰囲気もある。パワースポットとしてここを訪れる人々もいるのだとか。
平家ゆかりの集落 ガイドブックには載っていない伝説スポットも
また、この大枝集落には、奇襲してきた源氏方を返り討ちした後にその源氏方を祀った塚や、平家一行の祖谷入山時の岩屋跡などの残る、平家のゆかりの集落でもある。
武家屋敷のみならず、平家の歴史ファンにもぜひ訪れて欲しい集落だ。
武家屋敷旧喜多家
営業時間 9:00~17:00
定休日 12月1日~翌年3月31日 (冬季休業)
料金 大人:310円、 小人:100円
TEL 0883-88-2040
〒778-0204 徳島県三好市東祖谷大枝43
(取材・文・写真: ショーン ラムジー)