聴覚障害者用シェアハウス開所 大村「手話ハウス 結」 孤立せず、安心の生活を

室内を見学する関係者ら=大村市、「手話ハウス 結」

 長崎県ろうあ協会などが大村市黒丸町で建設を進めていた聴覚障害者のためのシェアハウス「手話ハウス 結(ゆい)」が完成し、7日に開所式があった。個室が8部屋あり、風呂と台所は共用。入居者を募集している。
 高齢の聴覚障害者の中には、手話はできても日本語を言語として理解できない人もいる。一般の老人ホームに入所しても孤立しやすいため、同協会が安心して暮らせる施設づくりをしようと、2014年から取り組みを開始。同協会や全国手話通訳問題研究会長崎支部のメンバーなどでつくる「県聴覚障害者居場所づくり推進委」を結成し、昨年11月に着工。今年3月末に完成した。
 同推進委によると、建築面積は約380平方メートル。ランプの点滅で来客を知らせる「フラッシュベル」や、ボタンを押すと119番通報して自動で施設名や住所、火災の発生を告げるシステムなどが設置され、聴覚障害者が暮らしやすい工夫が施されている。聴覚障害者専用のシェアハウスは全国で初めてという。

テープカットで開所を祝う関係者ら=大村市、「手話ハウス 結」

 式には園田裕史市長や地域の関係者など約30人が参加。テープカットで祝い、施設見学もした。同推進委の坂口義久委員長(68)は手話で「入居者が手話で交流し、生きがいをもって暮らせる施設を完成させることができた。今後も入居者が安定した生活ができる環境づくりに尽力したい」とあいさつした。
 入居の初期費用は12万8千円で、月の利用料は4万8千円。問い合わせは県ろうあ協会(電095.847.2681、ファクス095.847.2572)。


© 株式会社長崎新聞社