新電力(電力小売事業者)のISエナジー(株)(大阪)が破産を申請

※画像は実際の企業と関係はありません

 ISエナジー(株)(TSR企業コード:027862127、法人番号:8120001212129、大阪市中央区島之内1-4-32、設立2018(平成30)年3月、資本金500万円、伊左治佳孝社長)は4月28日、大阪地裁へ破産を申請した。申請代理人は荒武宏明弁護士(find a way法律事務所、同市西区靭本町2-2-22)。
 負債総額は債権者14名に対して約5億7300万円。

 沖縄県を除く全国を対象先とする新電力事業者。電力小売のほか、都市ガス事業も手掛け、「ISでんき」、「ブロードでんき」、「ISガス」の名称で顧客のライフスタイルに合わせたサービスを展開していた。
 しかし、2021年1月より日本卸電力取引所(JEPX)の電力取引価格が高騰。調達コストが急上昇したことで利益圧迫を強いられ、2021年7月期は売上高約2億1900万円に対し、1億7993万円の赤字を計上した。
 2022年に入ると、資金繰り逼迫から取引先に対して支払遅延を起こし3月23日、バランシンググループ契約(地域の送配電事業者と託送契約を締結するため、複数の小売電気事業者が1つのグループを形成し締結する契約)を解除された。
 こうしたなか、4月28日に小売電力業務(ISでんき、ブロードでんき)に関する業務を終了する旨を発表し、動向が注目されていた。
 なお、ISガスに関する業務については関連会社である(株)インソムニア(TSR企業コード:576892912、法人番号:6120001180278、同所)に移管している。

 関西電力(株)(TSR企業コード:570384206、法人番号:3120001059632、大阪市北区)広報担当者によると、小売事業者の破たんに伴う新たな契約申込みに際しては、「現在の燃料価格高騰などを反映し、特別高圧・高圧需要に対しては、最終保障供給よりも割高の料金をご案内する状況となっている」とコメント。ただ、電力供給が完全にストップすることはないとしている。
※最終保障供給とは、高圧または特別高圧需要家が、いずれの小売電気事業者とも電気の供給にかかる契約の交渉が成立しなかった場合に、次の契約先が見つかるまで送配電会社が電力を供給する制度。

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