ノボノルディスク、GLP-1受容体作動薬オゼンピックが好調で22年度業績を上昇修正。第1四半期業績

By 前田静吾

ノボ ノルディスクが好調な22年の第1四半期の業績を発表した。22年にはすでに6.5%の株価上昇に加え、当初の発表した予想である年間6%の売上増から10%から14%への大幅な情報修正をした。アナリストも「想定以上」の成長であると分析している。なお、ノボ ノルディスクは、デンマークのコペンハーゲンに本社をもち、糖尿病領域、成長ホルモン領域、血友病領域を中心に医薬品を提供するグローバル製薬企業です。

ノボ ノルディスク公式ホームページ(英語)
ノボ ノルディスク株式会社公式ホームページ

2022年第1四半期の業績

2022年 第1四半期のヘッドライン結果。

– 売上高 420億DKK(60億ドル)、24%増
– 利益 142億DKK(20億米ドル)、13%増

会社からのコメント

CEOのLars Fruergaard Jørgensen氏は、「GLP-1ベースの治療薬に対する需要の増加に伴い、2022年1-3月期の売上高が増加したことを大変嬉しく思います。売上の勢いを受けて、通期の見通しも引き上げることができました」と述べています。

ノボ ノルディスク社は、週1回投与のGLP-1受容体作動薬オゼンピック(米国での商品名 Wegovy)が牽引し、2025年までに肥満治療薬の売上を250億DKK(35億ドル)以上にすることを目標にしていると発表しています。同社はこれまで、注射器の充填を担当する委託製造会社で問題が発生し、同製品に対する米国の需要に追いつくのに苦労してきています。

ノボ ノルディスクは木曜日、委託製造業者がWegovyの商業生産を再開したと発表し、2022年後半には米国でWegovyを通常通り販売できるようにする道を開いた。

その他の業績

糖尿病セグメント 333億DKK(47億ドル) 22%増

 オゼンピック 120億DKK(17億ドル) 81%増

 ビクトーザ 33億DKK(4億6900万ドル) 15%減

 トレシーバ 26億DKK(369百万ドル) 8%増

 リベルサス 21億DKK(2億9800万ドル) 183%増

 レベミル 15億DKK(2億1300万ドル) 15%減

肥満症セグメント

(サクセンダ、オゼンピック) 34 億DKK(4 億 8300 万ドル) 119%増

希少疾病セグメント 54億DKK(7億6700万ドル) 8%増

 ノボセブン 23 億DKK(3 億 2700 万ドル) 15%増

今後について

ノボ ノルディスクは、今年の売上高が10%から14%成長すると予想しており、事前の予想値である6%から10%に引き上げています。一方、営業利益は9%から13%に増加する見込みで、従来予想の4%から8%から引き上げられています。

ただし、オゼンピックを含むGLP-1製剤の数量が予想以上に増加しているため、定期的な供給体制に制約が生じる可能性があるとし、これを新しい見通しに反映させました。Jørgensen氏は、「(供給上の)問題はあるが、ノボ ノルディスクにとって深刻な問題ではない」と説明しています。

アナリストのコメント

「ノボ ノルディスクは想定以上の好調な2022年を迎え、大幅な上方修正となった」と、Jyske Bankのアナリスト、Henrik Laustsen氏は指摘し、この結果を受けて同社の株価は6.5%も上昇した、と述べました。

注:特に断りのない限り、すべての増減は対前年同期比で表示 DKK=デンマーククローネ

参照リンク

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