たっぷり10時間!WILLER EXPRESS 大阪 → 池袋 昼行高速バスの旅

大阪〜東京間はその移動需要の高さゆえ、500kmを超える長距離にも関わらず夜行バスだけでなく昼間に走る高速バス(昼行便)も運行されています。その所要時間は脅威の約10時間に迫ります。今回は長距離を走る大阪 → 東京の昼行高速バスに運賃6,000円で乗車し、その様子をレポートします。★大阪発 → 池袋・新木場行き WILLER EXPRESSの昼行便 最安値便はコチラ!## 昼行高速バスの中でもトップクラスに長い 大阪 〜東京便

大阪・桃山台・京都〜池袋・新木場で運行される「WILLER EXPRESS」

長距離を走行する高速バスは、夜間に出発し、翌朝に目的地に到着する「夜行バス」での運行がほとんどです。夜行バスは、夜寝ている間に移動できるため、宿泊代を抑えられるうえ、新幹線が到着するよりも早い時間に目的地に到着できます。到着後、目的地で朝から行動できるなど夜行バスは移動手段としてのメリットがいくつか考えられます。

その反面、昼行の高速バスは、昼の時間帯をバス内での移動時間として使用しなければならないため、夜行バスと比較すると短区間で運行される場合が多いです。
例えば東京 ↔ 福岡や、東京 ↔ 四国など、長距離を走るバスは全て夜行便での運転になっているのに対し、東京 ↔ 長野や、東京 ↔ 静岡などの短区間は昼行便での運行が主です。

しかしそんな中、日本の大動脈である大阪 ↔ 東京間は、都市間が500km以上離れているにも関わらず、いくつかの会社が昼行で高速バスを運行しています。

今回は大阪梅田を朝9時30分に出発し、およそ10時間かけて東京の池袋・新木場まで走る昼行のWILLER EXPRESS(ウィラーエクスプレス)に乗車します。
乗車した高速バスは運賃が6,000円。新大阪 → 東京の東海道新幹線自由席利用では13,870円ですので、新幹線の半額以下で利用することができます。

実際の乗車体験を詳しくレポートします。

旅の始まりは「WILLERバスターミナル大阪梅田」

WILLERバスターミナル大阪梅田がある梅田スカイビル

WILLERバスターミナル大阪梅田の様子

WILLERバスターミナル大阪梅田の様子

大阪から東京まで昼行バスの旅は、大阪駅から歩いて10分ほどのところにある「WILLERバスターミナル大阪梅田」から始まります。
WILLERバスターミナル大阪梅田がある「梅田スカイビル」は、大阪駅の北側に位置する地上40階・地下2階、高さ約173メートルの超高層ビルです。
大阪駅からもその姿は十分に確認することができます。

このビルの1FにWILLERバスターミナル大阪梅田がありますが、大阪駅からは少し距離があります。大阪駅からのアクセスは「【アクセスガイド】JR大阪駅から”WILLER(ウィラー)バスターミナル大阪梅田”までの行き方を動画付きで徹底紹介!」で詳しく紹介していますので、合わせてご覧ください。

バスターミナル内はお土産売り場や無料コンセントコーナー、Wi-Fiスポットなどの設備が揃っているため、バス発車時刻まで時間がある場合でもゆっくり過ごすことができます。
WILLERバスターミナル大阪梅田について詳しくは「『WILLER(ウィラー)バスターミナル大阪梅田』を徹底紹介! 無料Wi-fiをはじめ充実の館内設備から周辺のコンビニ情報まで」で詳しく紹介しています。

大阪から出るWILLERの昼行バス発車標

筆者は発車の30分ほど前に到着したので発車までの間、WILLERバスターミナル大阪梅田で過ごすことに。

バスの発車標を見てみると、昼行の池袋・新木場行きの1便以外はすべて名古屋行きとなっていました。大阪 〜 名古屋間であれば、距離は200km弱で乗車時間も3時間ほどであるため、多くの昼行高速バスが設定されています。
名古屋の表示が並んでいる中、ひとつだけ東京の地名が並んでいるのを見ると、果てしなく遠い場所に行くような感覚になり、ワクワクします。

バスには発車時刻の10分前から乗車することができます。
バスターミナルからバスの乗車口までは歩いてすぐのところにあります。

新木場行き昼行バスの車内、設備は?

発車時刻を待つ新木場行きWK203便

2+2の4列シートが並ぶバス車内の様子

中央の仕切りが特徴的な座席

バス車内に乗り込むとWILLER特有のグレーとピンク色の2+2の4列シートが並んでいます。
カラーリングも特徴的な車内ですが、それに加えて2列シートの中央に配置されている仕切りも目立っています。
この仕切りは周囲との飛沫接触を避けるとともに、プライベート感を確保するために設置されています。以前はこの仕切りは背が低かったのですが、現在はリニューアルしてかなり仕切りが高くなっています。

仕切りのビフォアー・アフターに関してはWILLERのページでご確認ください。

着席した際の様子

全席にカノピー(顔を隠す覆い)が設置

実際に座ってみると、シート幅は44cmですが、仕切りのおかげで身動きが十分にとれないため、少し窮屈にも感じます。しかし、隣の人の顔は見られないようになっているため、たしかに包まれているようなプライベート感を演出していると感じました。

座席のリクライニングは最大傾斜130°です。夜行バスではないのでフルに座席を倒すことはありませんが、快適に過ごすためには十分な角度で倒すことができます。
さらにフットレスト、レッグレストの装備もあるので足をゆったり伸ばすこともできますし、さらに新幹線などでもよく採用されている可動式ヘッドレストも装備されているので、お好みの位置に枕を調整することができます。

また、全座席に顔を隠すためのカノピー(canopy:英語の発音はキャノピーかも…)が設置されています。
こちらも途中寝る際に使用すれば、寝顔を気にすることなくリラックできるとともに、飛沫感染予防に一役買ってくれる機能となっています。

各座席にUSB-Aタイプの充電タップが装備されている

さらに全座席にUSB-Aタイプのスマートフォン充電用タップも装備されています。
ただ、最近の流行であるUSB-Cの充電ケーブルは使用することができないので、車内で充電をする場合はあらかじめAタイプの充電コードを用意するようにしましょう。

USB-Aタイプ

USB-Cタイプ

車内にはトイレの設備はありませんので、途中3度の休憩時間中に済ませるようにしましょう。急用の場合は乗務員に申し出れば、途中休憩予定のないサービスエリアに寄ることも可能だとのことなので、無理をせず長距離乗車に備えることが大切です。

WILLERのおたすけDM(ダイレクトメール)とは

また、車内では食べ物を食べることは控えてほしいとの案内がありました。
長時間の乗車で、途中休憩時間も限られているので、乗車前にあらかじめしっかり食事を摂った方が良いと感じました。

定刻通りに大阪を出発!遠く離れた東京へ

大阪を出発し淀川を渡る

西中島南方駅に停車するOsaka metro御堂筋線

バスは9時30分、定刻通りに大阪梅田を発車しました。大阪からの乗客は筆者を含めておよそ10名程度です。大阪出発後は桃山台駅京都駅八条口からの乗客を乗せて、東へ向かいます。

昼行バスの大きな魅力は、目的地までの車窓を楽しめることです。
大阪を出ると新御堂筋を北上して桃山台へ向かうまで、Osaka metro御堂筋線の線路と並走します。東京ではなかなか見られない、地下鉄との並走に胸が高鳴ります。

京都駅八条口乗り場停車中の様子

大阪発車から1時間20分後、京都駅八条口にて乗客を乗せたあとは休憩を除きノンストップで池袋へと向かいます。
最終的には窓際の座席が約7割埋まる程の人が乗車しました。一部夫婦や友達同士で乗車している方もいらっしゃいましたが、ほとんどは1人利用といったところです。

途中3回の休憩が設定

最初の休憩地点草津パーキングエリア

草津PA内の様子

草津PA内にあるシャワールームとコインランドリー

池袋・新木場行きのWILLER EXPRESSは目的地までは途中、滋賀県の草津パーキングエリア(PA)、愛知県の岡崎サービスエリア(SA)、神奈川県の海老名サービスエリア(SA)の合計3度の休憩が予定されています。各地およそ20分ほどの休憩時間が設けられています。

大阪を出てから約2時間、11時30分ごろに最初の休憩地点草津パーキングエリア(PA)に到着です。
草津PA内にはお土産ショップがあるので、ここで軽食を購入することができます。
お昼時でちょうど良い時間ですが、休憩時間は20分ほどなので定食を食べる時間はありません。
今回乗車している高速バスは、車内での食事ができないのであらかじめ購入していたチョコのお菓子を食べ、再びバスに戻りました。

また、草津PA内にはコインランドリーとシャワールームの設備がありました。20分の休憩時間ではどちらも使用することは厳しいですが、機会がある人はぜひ使ってみてください。

車内から「ナガシマスパーランド」の様子を確認できる

草津PAを出発すると、草津JCTから新名神高速道路を走行します。
伊勢湾岸自動車道に入りしばらくするとバス車内からは三重県のレジャー施設、「ナガシマスパーランド」を確認することができます。ここを通過すると、まもなく愛知県に入り「名港トリトン」を渡っていき、見応えのある車窓が続きます。

[(https://ryohi.guide/bus/feature/6/)

各地 → ナガシマリゾートへの高速バス・夜行バスを予約する

2回目の休憩美合(みあい)パーキングエリア

美合PA内の様子

購入したコロッケと饅頭

大阪を出発して4時間を過ぎ、13時30分ごろに2回目の休憩地である東名高速の美合(みあい)パーキングエリアに到着しました。こちらでも約20分ほどの休憩になります。
本来は岡崎サービスエリアで休憩の予定でしたが、若干の遅れが発生したので休憩場所が変更になりました。

お昼時で小腹が空いたのでPA内の売店でコロッケと「東名高速限定もちもちバターぱん」を購入。バス車内では食べられないので、PA内のベンチで座って食べることにしました。

他の乗客もPA内の売店で購入したものを食べている人もチラホラ確認できました。

これまで4時間以上バスに乗車しているので、すでに肩に疲労感を感じていますが、まだまだ乗車時間は半分以上あります。気を引き締めてバス車内に戻ります。

浜名湖を眺めて静岡県へ

新清水ICで一度高速を降りる

バスは東名高速を東に進み静岡県に入ります。
途中浜名湖や富士山などの車窓を眺められるのは昼行バスの良いところです。

ところで、筆者が乗車しているバスは乗務員が1名で運行しています。高速バスは法令に遵守して安全に運行しているため、東京 ↔ 大阪間の場合は途中で乗務員を交代(交替)する必要があります。
そのため、新清水ICで一度高速道路を降りて付近にある「WILLER新清水ベース」まで走行し乗務員を交代(交替)します。

*昼間の便の場合は原則500km、夜行の便の場合は原則400kmで運転手(運転者)を交代(交替)する必要があります。

ここでは乗務員交代(交替)のための停車ですが、必要な場合はトイレ休憩をとることもできます。

10分ほど停車の後、再び新清水ICから新東名高速道路で東に進みます。

行く先で渋滞が発生!目的地には何時に着く?

3度目の休憩地中井パーキングエリアに到着

この先で渋滞が発生

大阪を出発してから約8時間、17時30分ごろに3度目の休憩地である神奈川県の中井パーキングエリアに到着しました。
大阪を出発したのは朝でしたが、静岡県を抜ける頃にはすでに日が落ち始めています。

3度目の休憩地は本来は海老名サービスエリアの予定でしたが、この先綾瀬スマートIC付近で事故発生のため休憩地を中井PAに変更しています。

渋滞を抜ける頃にはすでに日が落ちています

休憩を終えて東名高速を走行すると、予告通り海老名サービスエリア付近で渋滞が発生。この渋滞を抜けるのにおよそ30分ほどかかりました。

この先の首都高高速内も、夕方の帰宅ラッシュ時間帯と重なり若干の渋滞はありましたが、大きな遅れもなく下車予定の池袋が近づいてきます。

ついに池袋に到着!到着後の感覚は?

30分遅れで池袋サンシャインシティに到着

「長らくのご乗車お疲れ様でした。まもなく、池袋サンシャインシティです。」
久しぶりの自動放送が流れました。他の乗客も疲れが溜まっている様子で、安堵の雰囲気がバス車内に流れています。

30分ほどの遅れで、19時45分に池袋サンシャインシティに到着です。大阪からの乗車時間は10時間15分でした。池袋ではおよそ8割ほどの乗客が下車していました。

バスは乗客の降車後、速やかに終着地の新木場に向けて走り出しました。

約10時間ぶりに自由に行動できる身になったのですが、下車後の感覚は「あれ?本当に降りて良いんだ…」というなんだか不思議な感覚に陥っていました。それまでずっと狭いところにずっといたので、閉塞感からの開放でしばらく頭がボーッとしている感じです。

ただ、乗り心地はとても良かったです。
座席に備わっている可動式ヘッドレストや、レッドレストを使用していたため、自分なりに乗り心地の良さをバスの中で見つけられました。

下車後は「疲れ」というより、自由に行動できることへの「違和感」の方が強く感じたのが印象的です。

長時間昼行バスはオススメできる?

以上、今回大阪 → 東京まで運賃6,000円で約10時間かけて昼行バスで移動してきました。
実際に乗って感じたことは、コスパを重視するなら夜行バスで移動した方が、運賃も安い場合が多いので、そちらの方がオススメです。

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また、JR全線の普通列車の普通車自由席が5回(人)乗り放題になる「青春18きっぷ」の利用期間中であれば、1回(人)あたり大阪 → 東京は2,410円で移動できるので鉄道での移動もオススメです。例えば、今回筆者が大阪梅田を発車した9時30分に大阪駅を出れば、順調に乗り換えることができれば東京駅に18時30分に到着することも可能です。
しかし、「青春18きっぷ」は通年利用できるわけではなく、利用期間が限られていることに注意が必要です。

ただ、昼行高速バスは記事内で紹介したような各地の車窓や、サービスエリアでの買い物を楽しめるので旅情は溢れています。
「格安に移動はしたいけど、移動している様子も楽しみたい。」という人にはピッタリな移動手段なのではないかと実感しました。

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