去年の大雨で被害 田植えはじまる 広島・北広島町千代田地区

去年8月の大雨で大きな被害を受けた広島・北広島町千代田地域で田植えが始まりました。氾濫した河川流域の集落の中には、田んぼの2割余りが作付けできないというところもあります。

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北広島町千代田地域にある丁保余原地区です。去年8月の大雨で、近くを流れる出原川が氾濫。地区内の3割の田んぼに土砂が流入し、収穫を断念する被害が出ました。

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あれから9か月…。地元の集落法人「ほよばら」は、9日から田植えを始めました。植えるのはコシヒカリの苗です。田植えの初日ですが、メンバーの表情はさえません。

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ほよばら 下岡道範代表
「災害がなければ、全ほ場で田植えができるんが、非常に残念でならない」

そのわけはすぐ近くの田んぼにありました。

下岡道範代表
「こういった状態で砂が入っている」

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土砂の撤去作業が進んでおらず、田んぼ全体の2割余りが作付け不能ということでした。

下岡道範代表
「5~10センチは(土砂が)入っています。われわれの手ではどうしようもない」

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視聴者から送られた濁流の映像の現場は今、どうなっているでしょうか?

柴田和広記者
「去年の大雨とき、視聴者から送られてきた動画の撮影場所がこのあたりです。川の向こうは本来、田んぼなんですけど、見る影もありません」

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田んぼは土砂に埋め尽くされ、流木や大きな石、壊れた水路などが転がったままになっていました。また、水路の取水口が土砂に埋まったため、作付けができない田んぼもありました。

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国は、来年度までに復旧工事に入る予定ですが、時期は未定です。去年の被害には補償金も出ましたが、ことしはないということです。

下岡道範代表
「補償は何もないと思います。まあ、泣くしかないです」

それでも、地元農家の声が、下岡代表の心の支えになっていました。

下岡道範代表
「あれだけの被害を受けたら、『もうやめたよ』という声が出るかなと思ったが、『負担金を出してでもやるよ』と言われたので、ちょっとほっとしたところでもあるし、勇気をもらったところがある。カープの応援団と一緒です」

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こうした作付け不能の被害は、千代田地域でも特定の河川の流域で起きていて、その1つが、今回、取材した出原川流域です。RCCの取材によると、全体の1割の田んぼが作付け不能になっているとみられます。

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