真鶴町の松本一彦町長が選挙人名簿抄本を不正に複写し町長選に利用した問題を巡り、松本町長は9日、自らを含めた関係者2人を窃盗や公選法違反などの疑いで刑事告発し、松本氏らに対し損害賠償を求めて民事で提訴すると発表した。
町の第三者委員会が4月にまとめた報告書の要請に従った形で「町長が町長を刑事告発する」という異例の事態となった。
町によると、告発対象は松本氏のほか、協力関係にあった元選挙管理委員会書記長。松本氏は(1)窃盗(2)建造物侵入(3)地方公務員法違反(守秘義務違反)(4)公選法違反(買収、職権乱用による選挙の自由妨害)の疑いがある。元書記長も地方公務員法違反などで松本氏と共犯関係にあったとされる。
町は、早ければ5月中にも松本氏ら2人を横浜地検小田原支部に告発する。また、松本氏側から名簿を受け取った元町長の青木健町議と元町議会議長の岩本克美町議、元町議の男性3人についても今後、告発の可否を検討する。
民事訴訟では第三者委の報酬の一部や不祥事の処理に当たった職員の人件費などの賠償を求め、横浜地裁小田原支部に提訴する。