全国初、中学の部活動リモート指導 ICT活用 モデル校選定 栃木県教委

栃木県教育委員会が入るビル

 阿久澤真理(あくさわしんり)栃木県教育長は9日の定例記者会見で、中学校の運動部活動に情報通信技術(ICT)を活用した遠隔指導を導入すると発表した。スポーツ医科学の知見に基づいた科学的なトレーニングも取り入れ、短時間で効果的な活動を目指す。今月中にモデル校を選び、6月~来年1月まで実施する。

 教員の働き方改革や少子化による部活動の縮小を受け、スポーツ庁が効率的な部活動の実現に向けて進めている「地域運動部活動推進事業」の一環で、全国初の取り組みになるという。本年度予算は550万円で、運営は栃木県スポーツ協会に委託する。

 ICT活用による遠隔指導は、専門外の顧問が指導を行う運動部などを対象に、6校程度をモデル校に選ぶ。同協会や各競技団体が選んだ指導者が、映像を使ったリモート指導などを通じて、技能向上を図る。

 科学的トレーニング指導は、トップアスリートの間でも活用が進んでいる。2校程度を選定する予定で、同協会が運営するとちぎスポーツ医科学センター(TIS、宇都宮市西川田4丁目)の専門スタッフらが指導に当たる。

 このほか、栄養学やメンタルトレーニングの実践も検討しているという。阿久澤教育長は「かつてのように長時間拘束して行う練習より効率的な練習ができる。地域の実情によって専門的な指導を受けられなかった子どもたちにも有効だ」と期待を寄せた。

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