BMS第1四半期業績発表。レブロジルのジェネリック侵食速度速く、今年の売上横ばいと見通し変更

By 前田静吾

ブリストル・マイヤーズスクイブ社が22年第1四半期の業績を発表した。同社の主力薬である エリキュースとオプジーボは前年比2桁で成長、アベクマおよびブレヤンジ、レブロジルの売上増により、新製品ポートフォリオの売上が大幅に伸びた。一方で、レブロジルのジェネリック侵食速度が速く、今年の売上は横ばいとの見通し変更した

ブリストル・マイヤーズスクイブ公式ホームページ(英語)
ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社公式ホームページ

2022年第1四半期の業績

2022年 第1四半期のヘッドライン結果。

– 売上高:116億ドル(予想:114億ドル)、5%増
– 利益:13億ドル、前年同期の20億ドルから減少

会社からのコメント

CEOのジョバンニ・カフォリオ氏は、「引き続き戦略的優先課題を遂行し、堅調な売上・利益の伸びを実現し、製品パイプラインを進展させています」と述べています。

ブリストル・マイヤーズ スクイブは、主力薬である エリキュースおよびオプジーボの2桁成長と、細胞治療薬アベクマおよびブレヤンジ、貧血治療薬レブロジルの売上増により、新製品ポートフォリオの売上が前年同期の1億6100万ドルから3億5000万ドルに増加しました。

しかし、レブラミド(先月テバが米国でジェネリック医薬品を発売)やアブラキサンが、ジェネリックとの競合、侵食により売上を落としております。

業績

-エリキュース:32億ドル、11%増、米国における「強い基礎的需要」に支えられたもの
-レブラミド:28億ドル、5%減、EUとカナダでジェネリック品の侵食で23%減、ただし売上高はアナリスト予想の25億ドルより多い
– オプジーボ:12%増の19億ドル、米国での売上は前年同期比16%増の11億ドル、海外売上は6%増の8億2400万ドル
– ポマリスト/イムノビド:8億2600万ドル、7%増、早期治療ラインに移行し、治療期間が延長したため
– オレンシア:7億9200万ドル、4%増、米国での需要増と市場シェア拡大による継続的な成長
– ヤーボイ:5億1,500万ドル、13%増
– スプリセル:4億8300万ドル、3%増
– アブラキサン:2億1400万ドル、32%減
– Reblozyl:1億5600万ドル、39%増、米国での「強い需要」に後押しされる
– エムプリシティ:7500万ドル、12%減
– アベクマ:6700万ドル、「引き続き強い需要」を示し、同社は2022年半ばの生産能力拡大に向けて順調に推移していると指摘。
– ブレヤンジ:4400万ドル、「需要の増加」に後押しされ、細胞療法をより早いセカンドラインの大型B細胞リンパ腫の設定に移行すべきかどうかを議論するために6月24日にFDA諮問委員会が招集された。
– ゼポシア:3600万ドル、100%増、潰瘍性大腸炎への拡大など需要の増加によるもので、同社は下半期にさらなる売上を見込んでいる。
– オヌレグ:2300万ドル、53%増

今後に向けて

ブリストル・マイヤーズスクイブは、これまで一桁台前半の成長を目安としていた今年の売上高を、464億ドルに達した2021年と「同程度」になると予想しています。

一方、一株あたりの利益は7.44ドルから7.74ドルの範囲になると予想され、事前予想の7.65ドルから7.95ドルから引き下げられました。

アナリストは、今年の売上高が500億ドルで、調整後の利益が1株当たり7.73ドルになると予測しています。

レブラミドの海外市場での売上が予想を上回るペースで減少していることを受けての予想業績修正であり、同製品の年間売上は現在90億ドルから95億ドルと推定され予測から5億ドル引き下げられると述べています。最高財務責任者のデビッド・エルキンス氏は、「米国外で見られるのは、複数のジェネリック医薬品の参入です。そのジェネリックの侵食は予想以上に速く、それがレブラミドの予測を引き下げた理由です」と述べています。エルキンス氏は、血液がん治療薬の米国での後発品参入は第1四半期は遅かったが、第2四半期には競争が激化すると予想している。

4月には、ファースト・イン・クラスのミオシン阻害剤Camzyos(マバカムテン)が閉塞性肥大型心筋症の治療薬としてFDAに承認、また3月には、第3の免疫チェックポイント阻害薬として、転移性メラノーマに対して抗LAG-3抗体レラトリマブとオプジーボとの配合剤、Opdualagがアメリカで承認されています。

同社は「これらの有望な製品パイプラインと強固な財務の柔軟性は、当社が持続的な成長を実現するための強固な基盤を提供します」と述べています。

注:特に記載のない限り、すべての増減は対前年同期比

参照記事

Bristol Myers Squibb to Report Results for First Quarter 2022 on April 29, 2022

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