独自視点で「ドラえもん」表現 県立美術館、特別展が会期終盤

成長したしずかちゃんを描いた坂本友由さんの絵画など独創的な作品を楽しむ来場者

 国内外で活躍する現代アーティストが、国民的人気漫画「ドラえもん」をテーマに作品を寄せた特別展「THE ドラえもん展 OKAYAMA 2022」は会期終盤。会場の岡山県立美術館(岡山市北区天神町)には10日も美術ファンや親子連れが訪れ、キャラクターへの愛にあふれた作品に見入っていた。

 「ドラえもん」は漫画家藤子・F・不二雄さんの代表作。1970年に連載が始まって以来、子どもたちの心に夢や好奇心を育んできた。同展には村上隆さん、森村泰昌さんら28組の作家が参加し、独自の視点で作品世界を捉えた絵画や立体、写真などが並ぶ。

 画家坂本友由さんが手がけた縦約3.2メートル、横約1.6メートルの巨大絵画「僕らはいつごろ大人になるんだろう」は、成長したしずかちゃんを描いて存在感たっぷり。彫刻家西尾康之さんの「OPTICAL APPARITION」はドラえもんの彫刻とプロジェクションマッピングを組み合わせ、自在に動く表情が生きているかのようだ。

 坂本さんの作品に心を引かれたという岡山理科大3年生(20)は「しずかちゃんの髪の毛の質感や滴り落ちる水の感じが丁寧に描かれていてリアル。作家のキャラクターに対する愛情を感じます」と話した。

 同展は岡山県立美術館、瀬戸内海放送、山陽新聞社でつくる実行委員会主催。22日まで。月曜休館。

© 株式会社山陽新聞社