ムスリム墓地計画は条例に「適合」 杵築市側は憤り 大分

 日出町で計画が進むムスリムの土葬墓地建設について、町は先週、資金面や衛生面などの事前協議の内容が条例に適合しているという判断を下しました。現在の建設予定地に反対をしていた杵築市は、「事前の相談がなかった」と突然の報告に憤る声も聞かれました。

永松悟 杵築市長

「きのう日出町が宗教団体の方に事前協議を適合ということで、文書を差し上げたと大変びっくりしたわけです」】

 杵築市議会 藤本治郎議長

 「そりゃもう青天の霹靂というか寝耳に水というかなんで突然そうなるのと」

 墓地は、大分トラピスト修道院の南側にある町有地が候補地になっていましたが、近くに水源をもつ杵築市山香町下切地区の住民らが飲料水への影響や風評被害があるなどとして反対していました。しかし、建設を希望する「別府ムスリム協会」と事前協議を進めていた日出町は、6日、資金計画や衛生面などが町の条例で定める基準に適合すると判断。きのう協会に文書で通知したということです。

 これを受け、別府ムスリム協会代表のカーン・ムハマド・タヒルさんは。

 別府ムスリム協会 カーン・ムハマド・タヒル 代表

 「すごく長かったですよ。でも今はほんとに昔のことは昔、私は将来を見て、すごくうれしいと思います。杵築の人達も、私達もどのくらい困っているか教えていただいて、一緒に頑張ってみんなの気持ちを守ってこれから続けます」

 今後、協会が町に申請書を出せば九州で初となるイスラム教式の墓地建設が許可される可能性が高いとみられます。一方で、杵築市の永松市長は、日出町に対して下切地区の住民に説明する場を設けるよう先月から求めてきました。

 永松悟 杵築市長

 「日程調整について話し合いをすると思っていたがその前に昨日話が出ましたので執行部も議会もびっくりしている。日出町の判断は尊重しないといけないけれども根拠などについてもっと詳しく知りたい」

 住民からの陳情を受け建設反対の申し入れをしてきた市議も、驚きを隠せません。

 杵築市議会 藤本治郎議長

 「話し合いを出来るような説明会をしてもらえないかとお願いしたけど一切無視されて昨日になった。一方的に本田町長が話を進めているとしか思えないのが現実」

 日出町は、住民側に、理解を求める説明会を先月提示したが、断られたと話しています。

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