DJI、「DJI Mini 3 Pro」新発表。軽量249g未満、飛行時間最大47分を実現

DJIは、新製品の軽量カメラドローン「DJI Mini 3 Pro」を発表した。

重量24g未満で携帯性に優れ、4K/60fps動画撮影、アクティブトラック、3方向障害物検知などの機能を搭載している。また、今回新たにジンバルが90°回転する機能も加わり、SNSにぴったりの縦向き映像が撮影可能だ。

さらに飛行時間も大幅にアップグレードし、最大47分(オプションのフライトバッテリー装着時)の飛行時間を実現した。DJI Mini 3 Proはどこへでも持ち運びでき、誰もがプロレベルの空撮ができるようユーザーをサポートするという。

DJIのクリエイティブディレクター Ferdinand Wolf氏は、次のようにコメントしている。

2019年にはじめてこのMiniシリーズを発表した際の私達の目標は、はじめてドローンに触れる全ての人に、空撮がこんなにも簡単にできるということを知ってもらうことでした。ユーザーの映像や撮影体験を通し、私達はこの小さな空撮カメラの可能性を改めて認識することができました。

そして今回、さらに進化した飛行性能、インテリジェント機能、そして、幅広いシーンに対応する撮影性能を統合した超軽量のカメラドローンを発表できることを非常に嬉しく思っています。DJI Mini 3 Proはその携帯性とパワフルさで、カメラ搭載のミニドローンのイメージを全く新しいレベルへと押し上げます。

今回のMini 3 Proは軽量、安全、高性能という特長を兼ね備えながら、最長飛行時間、プロレベルのスマート機能など革新的なアップデートを数多く導入した。コンテンツクリエイターや、ドローン飛行に挑戦したいと思っているビギナーパイロットに相応しい撮影ツールだとしている。

DJIは開発初期、次世代のMiniシリーズ製品について考えを巡らせながら、ユーザーからの意見に目を通している時、汎用性の高い優れた飛行性能と撮影技術をDJI史上最小のドローンに統合する、という方向性を見出したという。

そして、その大きさからは想像がつかないほどパワフルなドローンDJI Mini 3 Proが完成した。今回のモデルもMavic MiniやMini 2といった先代モデルのコンパクトに折りたためるデザインを踏襲し、収納しやすくどこにでも持っていくことが可能だ。一方で、これまでAirシリーズやMavicシリーズのみ利用可能だった高度な飛行性能やカメラシステム、バッテリー駆動時間、インテリジェント機能にも対応しているため、他の同サイズのDJIドローンより多くの機能を搭載している。

新デザインで見えてきた、新たな可能性

Mini 3 Proは刷新された構造設計により様々な性能が向上。アームとプロペラには航空力学的に優れた設計を適用したことで、より長い飛行時間を実現した。新たなデザインでは、ドローンのフロント部に前方と後方用のデュアルビジョンセンサーを搭載することで検知範囲を拡大し、飛行中の安全性を向上。ジンバルデザインも一新され、可動範囲がより広くなり、下から上を見上げるチルトアップアングルでの撮影や縦向き撮影が可能になった。既存モデルとは一線を画す外観で、DJI Mini 3 Proは創造の可能性をさらに押し広げるとしている。

DJI Mini 3 ProはMiniシリーズとして初めて、前方/後方/下方ビジョンセンサーを使用した3方向障害物検知に対応している。前方と下方センサーは広いFOVを持ち検知範囲をシームレスにカバーできるため、より質の高いルート計画や周辺状況の認識を実現する。

また、これらのセンサーには高度操縦支援システム(APAS)4.0が搭載され、障害物を検知し、それらを回避する安全な飛行経路を自動的に見つけ出す。さらにこれらのセンサーにより、一連のフォーカストラック機能を利用でき、被写体を選択するだけで、ドローンは自動で被写体をフレームの中心に捉えたまま安全な飛行ルートで飛行する。このようにアップグレードされた検知システムにより、DJI Mini 3 ProはMiniシリーズで初めて、APASとフォーカストラックの両機能を搭載した。また、DJI Mini 3 Proは今後、内蔵リモートID機能の対応を予定しているという。

プロ品質の映像制作を実現するカメラシステム

DJI Mini 3 Proは、イメージングシステムも劇的に進化したという。搭載された1/1.3インチCMOSカメラセンサーは、従来シネマカメラや一部のマイクロシングルカメラのみが利用できていた撮像技術デュアルネイティブに対応している。

また、絞り値はf/1.7を誇り、最大で48MP写真や4K/60fps動画の撮影が可能。さらに今回、ジンバルカメラが90°回転し、縦向き撮影に対応したため、従来はズームやクロップによる編集で画質が劣化してしまっていた縦向きの映像が、編集不要で高画質のまま簡単にSNSへ投稿が可能だ。

また、細部まで鮮明に捉えるため、最大フレームレート30fpsのHDR動画撮影にも対応。カラープロファイルにはアプリ内で簡単に編集できる「ノーマル」、より高度な後編集ができる「D-Cinelike」の2つのモードを搭載している。

デジタルズームは4K動画撮影では2倍、2.7Kでは3倍、フルHDでは4倍まで利用できる。また、ピクセルサイズを2.4μmと大きくすることでディテールまでクリアに捉えることができ、特に低照度環境での撮影性能が向上した。

最大47分の飛行、長くなったバッテリー駆動時間と伝送距離

DJI Mini 3 ProはこれまでのMiniシリーズよりも長いパワフルな飛行時間を実現した。最大47分(オプションのフライトバッテリー装着時)の飛行時間を実現し、1度の充電でさらに遠くまで飛行、より多くの景色の撮影が可能になった。

このインテリジェント フライトバッテリー Plusは、DJIドローンとして初めてオプションとして導入され、同サイズのドローンとしては今まで実現し得なかった最大47分の飛行時間を達成した。

※インテリジェント フライトバッテリー Plusを使用すると、DJI Mini 3 Proの重量は249 gを超過する。一部の国・地域では、250 g以上のドローンに関する現地の法規制により、DJI Mini 3 Pro インテリジェント フライトバッテリー Plusを利用できない。

また、飛行時間に加え、伝送距離も長くなっている。O3伝送システムに対応し、最大12kmの距離からでもクリアな1080pのライブ映像を伝送可能だ。

インテリジェント機能で、プロのような撮影を

DJIのAirシリーズやMavicシリーズに搭載されていたインテリジェント機能がMini 3 Proにも搭載され、クリエイティブな撮影が可能になった。タップするだけで、以下の機能を使った撮影を実行できる。

(以下、プレスリリースより引用)

フォーカストラック関連の機能

  • Spotlight 2.0
    手動で飛行させている間、カメラが被写体をフレーム内に捉え続けます。
  • Point of Interest 3.0
    ドローンが被写体の周りを旋回しながら、設定された半径と速度で飛行します。
  • ActiveTrack 4.0 選べる2種類の方法で被写体をフォローします。
    トレース:機体は一定の距離離れた状態で被写体を追尾します。
    パラレル:機体は被写体の側面から一定の角度と距離で被写体をトラッキングしながら飛行します。

クイックショット

  • ドローニー:被写体をカメラの中心に捉えた状態で、機体が後方に下がりながら上昇します。
  • ヘリックス:機体は、被写体周囲をらせん状に旋回しながら上昇します。
  • ロケット:カメラを下に向けた状態で、機体が上昇します。
  • サークル:機体は、被写体周囲を旋回します。
  • ブーメラン:機体は楕円上に被写体周辺を旋回します。被写体の場所から離れるほど上昇し、その場所に戻りながら下降します。
  • アステロイド:機体は後方/上方に向かって飛行し、上空でスフィアパノラマを撮影します。生成された動画は逆再生になります。

マスターショット

被写体をフレームの中央にとらえ続けながら、異なるパターンの飛行動作を順番に実行し、シネマティックな短編動画を生成します。

ハイパーラプス

設定された飛行経路を飛行しながらダイナミックなタイムラプス映像を撮影します。

新送信機 DJI RC

DJI Mini 3 Proは幅広いユーザーのニーズを満たすため、DJIは送信機のラインアップも拡大し、軽量かつ5.5インチスクリーン内蔵送信機DJI RCが新登場した。DJI FlyがDJI RCにインストールされており、スマートフォンを送信機に取り付ける手間がなく、飛行中、自分のスマートフォンの電池残量を心配する必要がない。

飛行を思う存分楽しめるよう、DJI Mini 3 Proは以下のような複数のアクセサリーに対応している。

  • DJI Mini 3 Pro インテリジェント フライトバッテリー:最大34分の飛行時間を提供
  • DJI Mini 3 Pro インテリジェント フライトバッテリー Plus:最大47分の飛行時間を提供
  • DJI Mini 3 Pro 2WAY充電ハブ:インテリジェントフライトバッテリーを順番に充電
  • DJI Mini 3 Pro NDフィルターセット(ND 16/64/256):日差しの強い照度環境下でも細部までクリアな映像を撮影可能
  • DJI Mini 3 Pro プロペラ:安全な飛行を確保するのに必須のアクセサリー
  • DJI 30W USB-C充電器:インテリジェント フライトバッテリーを64分で、インテリジェント フライトバッテリー Plusを101分で、0%から100%まで充電

価格と販売時期

DJI Mini 3 Proは2022年5月20日に発売予定。展開ラインナップと希望小売価格は以下の通り。

DJI Mini 3 Pro (機体単体):税込92,400円

DJI Mini 3 Pro機体のみが同梱、送信機は同梱されていないため、ドローン制御に使える対応送信機をすでに持っているユーザー向け

DJI Mini 3 Pro:税込106,700円

従来型の送信機DJI RC-N1が同梱

DJI Mini 3 Pro(DJI RC付属):税込119,900円

今回新登場した送信機DJI RCが同梱

DJI Mini 3 Pro用のアクセサリーキット

DJI Mini 3 Pro Fly Moreキット Plus:税込29,480円

インテリジェント フライトバッテリー Plus×2、2WAY充電ハブ×1、プロペラ(1組)×2、ショルダーバッグ×1が同梱

▶︎DJI Mini 3 Pro

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