西九州新幹線「かもめ」が長崎県内初走行! 6月中旬まで試験、JR九州

走行試験で長崎駅に初めて入る西九州新幹線かもめ。多くの市民が出迎えた=長崎市尾上町

 9月の西九州新幹線(武雄温泉-長崎)開業に向け、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)とJR九州は10日、同区間に導入する新車両「かもめ」の走行試験を始めた。九州新幹線長崎ルート(博多-長崎)の整備計画が1973年に決定して以来49年の時を経て、新幹線が初めて県内を走った。
 午前9時ごろ、大村車両基地(大村市)を出発。県内を時速45キロで走り、線路や架線の状態などを確認した。鉄道・運輸機構によると、予定よりも確認作業に時間がかかったが、走行に問題はなかった。新大村、諫早、長崎各駅のホームでは市民らが歓迎。沿線にはカメラを手にした鉄道ファンの姿も多く見られた。11日に佐賀県内を初走行する。
 試験は6月16日まで。15日程度走行する。徐々にスピードを上げ、最終的には営業運転時の最高時速260キロを出す。安全性が確認されれば国土交通省の完成検査を受ける。一般向けの試乗会も予定している。
 導入車両は東海道新幹線の「N700S」をベースとした6両編成。開業時は計4編成導入する。
 JR九州の古宮洋二社長は10日、福岡市であった決算発表会見で、走行試験にも言及。「それぞれのまちの思いを受け止め、地元の方々や遠くから来てもらう方々に満足な新幹線を提供するため(開業日の)9月23日に向けて進めていきたい」と述べた。
 九州新幹線長崎ルート(全長143キロ)のうち、西九州新幹線(約66キロ)はフル規格で整備し、武雄温泉のホーム対面で在来線特急と乗り換える。博多-長崎の所要時間は最速1時間20分で現行の特急より約30分短縮される。佐賀県内の未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)の整備方式は未定。


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