
採用の難しさは、人材の見極めにあるとも言われますが、実際はどのような意思決定がなされているのでしょうか。全国の人事・採用担当者300人を対象に「採用時のバイアス(偏り・偏見)に関する調査」を実施したところ、4割以上が「採用時にバイアスがかかっている」と回答しました。また、「学歴・性別が評価に影響している」と回答した人は、こちらも4割以上だったそうです。
AIで採用候補者の入社後活躍・退職確率を予測するサービス・アッテル(Attelu)」を展開する株式会社アッテルが2022年1月に実施した調査です。



はじめに、「自社には採用時にバイアスがかかっていると思いますか」と聞いたところ、46%が「はい」と回答しました。また、「自社の採用時の評価に関して学歴がどの程度影響していますか」と聞いたところ、「やや影響している」(36.3%)、「かなり影響している」(5.7%)をあわせて42%の人が「影響している」と回答したそうです。
「学歴が影響している理由」については、「基礎能力はあると判断できるから」(50.8%)、「活躍人材を採用したいから」(46.8%)、「業務能力が高い可能性があるから」(45.2%)といった回答が続きました。


次に、「性別の影響」を見ると、「やや影響している」(36.3%)、「かなり影響している」(9.3%)をあわせた45.6%の人が「影響している」と回答しました。
また、その理由については「既存社員との性別バランスを考えて」(48.2%)、「長く働いてほしいから」(45.3%)、「性別での適性があると考えているから」(43.8%)といった回答が並びました。


さらに、「顔・容姿の影響」で見ると、「やや影響している」(17.3%)、「かなり影響している」(3.7%)をあわせた21%の人が「影響している」と回答しました。
また、その理由については「第一印象が良いから」(69.8%)、「集客能力があるとみなすから」(44.4%)、「見た目が良いと有利な職業だから」(36.5%)といった回答が続いたそうです。


続いて、「採用した人材の採用時の評価と入社後の活躍状況は合っていると思いますか」と聞いたところ、「少し当たっている」(42.0%)、「ほとんど当たっている」(27.3%)、「あまり当たってない」(12.7%)、「ほとんど当たっていない」(1.3%)という結果になりました。
また、「バイアスをなくし、客観的な内容に基づいた採用をしたいと思いますか」という質問には、76.3%の人が「はい」と回答したそうです。
◇ ◇
調査を行った同社は、「人事の領域では、いまだにほとんどの意思決定が『勘』や『経験』で行なわれており、採用の際には多くの勘違いやミスマッチが生まれていることが分かっています。その勘違いの一例として『学歴が高い方が活躍しやすい』というものがありますが、学歴を含む様々な先入観が採用の際に影響していることが明らかになりました」と述べています。