国立病院機構 下志津病院の元課長、収賄容疑で逮捕

 3月に発覚した国立病院機構職員の特定の業者との癒着をめぐり、初の逮捕者が出た。11日、警視庁は国立病院機構 下志津病院の元企画課長だった安彦昌人容疑者(60)を収賄容疑で逮捕したと発表した。

贈賄側も逮捕、船橋市の小松電器社長

 警視庁によると、安彦元課長はおととし9月までの1年近くの間に、病院内の設備工事をめぐり、千葉県船橋市の「小松電器」が随意契約で受注できるよう便宜を図った見返りに、ノートパソコンなど約30万円相当の物品を受け取ったり、約60万円相当の旅行や飲食の接待を受けた容疑を受けている。この日警視庁は同時に、贈賄側の小松電器社長、松丸隆行容疑者(43)も逮捕した。

 国立病院機構をめぐっては、3月機構が会見し、小松電器から機構傘下の12病院の職員が接待などを受けていたとして28人を懲戒解雇など直接処分、46人に管理監督責任を問うなと、計74人もの職員を大量処分しており、安彦容疑者は処分を受けた一人とみられる。

 警視庁によれば、安彦容疑者は管理監督責任を問われ内部処分を受けた一人だという。しかし機構の発表では、当時管理監督責任を問われた職員の中に不正な取引を主導したものはいなかったとしており、当時の発表の信頼性が問われる事態となっている。またこのほかに捜査対象となっている職員、元職員も複数いるとみられ、さらに逮捕者が出る可能性がある。

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