PCR検査体制の逼迫回避へ 沖縄県、陽性者登録センターやオンライン診療を再開

 沖縄県は11日、新型コロナウイルスのPCR検査体制の逼迫(ひっぱく)を回避するため、医療用抗原検査キットで陽性となった人に対応する抗原定性検査・陽性者登録センターを近日中に再開すると明らかにした。

 同センターはキット購入時に配布されるチラシの案内に従い、県対策本部内の医師からオンラインや電話で診察を受ける仕組み。1月の流行第6波では、重症化リスクが少ない40代以下の有症状者向けに運用していた。

 県によると、大型連休の影響による新規感染者の急増で医療機関に軽症者が殺到しており、入院治療を要する患者の診察に影響が出ているという。県内の救急救命センターでは、コロナ患者の受診が急増している中で、一部には職場などから求められてPCR検査のみを希望する人もおり、医療機関の負担が増しているという。

 県の宮里義久感染対策統括監は「医療提供体制の逼迫につながらないように、軽症者向けに検査体制を拡充する」と説明した。県疫学統計・解析委員会が10日に発表した感染症発生動向報告でも、流行拡大によりPCR検査の予約が取りにくくなっているとして、50歳以下で基礎疾患のない若年層には抗原検査キットの活用を呼び掛けている。

 (嘉陽拓也)

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