屈指の“うどん県”埼玉に注目 西武本川越駅前オープンの和風レンタル個室、「焼きうどん」に注力へ

各個室にある飲食専用の取り出し口から非接触で提供された焼きうどんを手にする倉持俊介社長=川越市中原町の「いちのま、」

 西武本川越駅前の埼玉県川越市中原町に昨年10月オープンした和風レンタル個室「いちのま、」は4月から、焼きうどんの提供を始めた。個室の利用客が注文できるほか、焼きうどんを食べるためだけの来店も可能(個室1時間無料)。テイクアウト、料理配達サービスにも対応している。

 同店はデスクワークの空間として使うだけではなく、観光客が休憩場所に借りたり、仲間と食事や飲酒を楽しむために利用するなど、さまざまな用途を想定。新型コロナウイルスとの共存が求められる社会の新たなビジネスモデルを目指し、店員と接触せずに利用手続きや飲食の注文と受け取り、支払いができるシステムを導入している。

 運営会社「インセプションホールディングス」の倉持俊介社長(41)は、「地元の人たちが交流し、市外の客にとっては観光の入口になる情報発信拠点を目指している。そのためにも、多くの人が訪れたくなるような何かが欲しかった」と、焼きうどん提供を始めた動機を説明する。

 埼玉が屈指の「うどん県」であることに注目。さらに、焼きうどん専門店は全国でも少ないため、提供品に決めた。麺は県産ブランド小麦「あやひかり」を100%使い、市内の業者が製造。まずは、5種類を発売した(店内で食べる場合は税込み700円)。市内出身の倉持社長は「焼きうどんを川越の代表するB級グルメに育て、街の魅力を伝えたい」と夢を語った。

 観光客を主なターゲットに、セルフ写真館のサービスも始めた。

 問い合わせは、「いちのま、」(電話049.299.4805)へ。

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