「なつお」の挑戦 滝澤夏央選手の活動報告〈1〉攻守に手応えと課題 〝地元の味〟恋しく

 昨年のプロ野球ドラフト会議で育成2位指名を受け、埼玉西武ライオンズに入団した滝澤夏央選手(18、関根学園高出身)。持ち前のスピードを生かしてはつらつとプレーし、また、愛されるキャラクターでチームや先輩にかわいがられている。イースタン・リーグ(2軍戦)で走攻守で結果を残し、今後の活躍が楽しみだ。(球団広報部の報告と本紙の取材を織り交ぜ、同選手の様子を定期的に紹介します)

 2021年ドラフト育成2位で西武に入団した滝澤夏央。プロの壁に悩みながらも貪欲に練習を重ね、アピールを続ける。

 「イースタン・リーグが開幕して1カ月ほどたちましたが、自分なりにできることはやっていますし、打者の足の速さ、打球のスピード、試合の流れといった、プロのスピードにも慣れてきたと思います。プロは数字を残さないと生き残れない世界なので、しっかり結果にもこだわってプレーしていきたいです」と少しずつ手応えを感じている。

 これまでファームでの出場が多い滝澤だが、打席では「とにかく塁に出ること、投手の嫌がる打者になること」に重点を置いている。長打を打つタイプではないので、相手投手に球数を投げさせたり、状況に応じてセーフティーバントをしたりして、三遊間への内野安打を狙うなど、足を使ったバッティングには自信をのぞかせた。

 だが、もちろんきれいなヒットを打てるに越したことはない。「振る力が弱いので、まずはそこのパワーアップが目の前の課題です。ウエートはもちろん、とにかくバットを振ることで力を付けていきたいと思います」と話した。

 スピード感のある守備が持ち味の滝澤について、2月のキャンプ期間中から指導をしている内野守備・走塁コーチの阿部真宏は「スピードは今いるメンバーでは高い位置にいますね。どちらかというと、難しくて派手なプレーが得意です。今、彼に意識して取り組んでもらっているのは、簡単な打球を丁寧に、しっかり股を割って取りましょう、しっかりステップして投げましょう、というところです。学生時代はどうしても『前で捕球する』と言われがちですが、全てがそうではなくて、打球との衝突やランナーなどの状況によっても異なります。ノックを見ている限りでは、だいぶできるようになったかなと思います。時々、しなくていい場面で前に突っ込んでいる時もありますが、ただそれは本人も自覚していて、試合後には『自分でどう思った?』って聞くと、感覚というか認識は一致しているので、試合の中で身に付けていく感じですね」と滝澤の成長を期待している。

 地元を離れて5カ月だが、自宅近くのラーメン店の味が恋しくなることがあるという。何よりも、新潟のお米が一番おいしいと感じており、「自分の家のお米が食べたい」とニヤけてみせた。「新潟の皆さんに早くいい報告ができるような選手になるため、日々努力していきます。これまでたくさんの方々に支えてもらって、ここまできたので、地元の方には早く恩返しがしたいと思っています。まずは支配下登録を目指して頑張ります!」とメッセージを送った。(西武ライオンズ広報部)

イースタン・リーグの公式戦終了後、1軍本拠地のベルーナドームで滝澤夏央(球団提供)

© 株式会社上越タイムス社