あいおいニッセイ同和損保の中国子会社、自動運転のMomentaと提携

MS&AD;インシュアランス グループのあいおいニッセイ同和損害保険株式会社(以下、あいおいニッセイ同和損保)の中国子会社である愛和誼日生同和財産保険有限公司(以下、ADIC)は、交通事故低減ならびに自動運転対応の強化を目的に自動運転分野で独自の強みを持つMomenta社と戦略提携契約を締結した。4月28日付のプレスリリースで明かしている。

現在、世界各国では特定条件下で完全自動運転が可能になるレベル4の実用化に向け、開発・研究が進められている。特に中国では、政府主導で自動運転技術の成長を促す政策が打ち出されており、一部地域において自動運転タクシーの実証実験や自動運転サービスの提供が始まっている。また、中国では、自家用車だけでなく、ライドシェア車両やトラック等の営業・業務用車の台数も増加しているため、交通事故も増加傾向にある。

Momentaは、2016年に中国で設立され、現在、中国・ドイツに拠点を置き、日本の企業とも業務を行っている。複数の世界有数の自動車メーカーなどからの戦略投資(総額12億米ドル超)を得ている自動運転企業であり、革新的なAI技術を通じて、より良い生活環境の創出を目指している。

さらに、Momentaは、交通死傷者数の大幅な削減、運転時間からの解放、ならびに物流とモビリティの効率化を目的として自動運転の普及に向けた取り組みを行っている。データ駆動型※1のアルゴリズム、量産自動運転※2と完全自動運転の製品戦略を大きな柱とし、異なるレベルの自動運転ソリューションを提供する。これにより、より効率的な自動運転の規模拡大と安全・便利・効率的なスマートモビリティ社会の実現を目指して注力している。

※1 蓄積された大量のデータ分析の結果から、意思決定や次のアクションを導き出す方法

※2 高度な自動運転ソリューションで、さまざまなレベルの自動運転機能を提供

今回の提携では、車両安全サービスならびにリスク管理・低減の両面における好循環サイクルの創出を目指している。Momentaの自動運転技術とモビリティサービス、ADICのテレマティクス領域における経験と事故低減ノウハウを活用した、モビリティサービスの安全性向上、ならびに保険商品・サービスの研究・開発に取り組む。

具体的には、ADICの安全運転評価ノウハウとMomenta社独自開発の車載器と運行管理システムを組み合わせることで、法人向けの交通事故低減取り組みを実施する。また、個人向けには、安全運転促進、走行データを活用した事故検知や、Momenta社の自動運転技術を用いた事故対応システムの研究開発などの共同取り組みを進めていく。なお、あいおいニッセイ同和損保は、中国においても、交通事故低減や将来の自動運転領域の取り組みに同社のテレマティクス技術を活用することで、「安全・安心なクルマ社会の実現」への貢献を続けていくと述べている。

▼関係者のコメント

■Momenta社 CEO 曹旭東氏のコメント

ADICは世界に先んじる保険会社として、豊富なテレマティクス技術の蓄積、成熟した交通事故低減のノウハウや技術を用いて道路安全性向上の為のアドバンスト戦略を持たれています。我々はADICと戦略提携を締結できたことは、大変光栄の至りです。Momentaのビジョンは、「10年間、100万の命を救う。10年間、100パーセントの時間を解放。10年間、物流とモビリティの効率を倍に」であり、その中で、安全を一番重要視しております。我々はADICと共同で運転安全サービスのクローズドループおよび事故リスク管理のクローズドループを築き上げ、革新的なAI技術を用いて、より安全な未来インテリジェントモビリティの実現に力を注ぎます。

■ADIC 総経理 横田 嘉英氏のコメント

Momenta社の企業理念は、弊社が目指す「安全・安心なモビリティ社会の実現」への貢献とマッチしており、Momenta社の自動運転システムや車載器等の先進的な技術と弊社がグローバルで培ったテレマティクス保険の先進技術やリスクマネジメント分野のノウハウを融合し、中国における走行データを活用した事故低減活動や将来の自動運転社会を見据えた共同取組のCSV×DXを進めて参ります。

(出典:あいおいニッセイ同和損保 Webサイトより)

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