【日本保険薬局協会】リフィル処方箋の状況調査へ/件数やきっかけ、好事例、課題など

【2022.05.12配信】日本保険薬局協会は5月12日に定例会見を開き、リフィル処方箋の状況に関して調査する方針を明かした。件数やきっかけ、好事例、課題などを聞く方針。

首藤会長「今の薬局薬剤師では不安なので出せないという状況にはしたくない。安心して出せる状況をつくることが我々の責任」

会見の冒頭、首藤正一会長は同日の常任理事会の場で、リフィル処方箋の応需状況調査を実施する提案が了承されたとし、今後、調査を行うことになったことを報告した。

法人を対象にアンケート形式で行うという。調査項目については、リフィル処方箋を受けたことがある薬局数や実績数、好事例、困った事例、発行されたきっかけ、例えば医師からの提案なのか、患者からの要望なのか、などの情報について収集したいとした。
調査項目は継続的に実施することで、より適切な質問項目とし、将来的に調査対象を法人ではなく、薬局単位とすることも視野に入れているという。

首藤会長は足下の状況への感触としては「思ったよりも多いという話は聞こえてくる。薬局から患者に周知したりお知らせは一切していない状況ではあるが、患者さん側が一般紙の報道などをみて、リフィルにできないのかなどのドクター側に問い合わせがあるのだと思う。今、聞いているところでは、病院より診療所の方が多いようなことはある」と話した。

リフィル処方箋をめぐっては、医療関係者から否定的な見方も提示される中、薬局薬剤師からの積極的な姿勢が示しづらい環境になっているとの指摘もある。
こうした中、記者から協会のリフィル処方箋へのスタンスに関して改めて質問が出ると、首藤会長は、「リフィルに関してはあくまでわれわれ(薬局)は受け身である。ただ、今の薬局薬剤師では不安なので出せないという状況には持っていきたくはない。薬局薬剤師の能力の見せどころだと思っている。後ろ向きといういうことは全くなく、きたもの(リフィル処方箋)にどう対応していくか。対応できるような教育をきちっとしていく。我々はそういう努力をしていかなければならないと思っている。責任は重くなっているし、その責任をクリアできるような状況になってくれば、リフィルを発行するドクターの方も安心して出せる。そういう状況をつくっていくことが我々の義務。全く後ろ向きではない。積極的に受けるというよりは受け身ではあるが、受けたものには責任を持って対応する状況をつくっていきたい」と話した。

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