日産の22年3月期連結決算 3年ぶり黒字転換 値引き販売抑制が奏功 売上高は7.1%増

2022年3月期連結決算を発表する日産自動車の内田社長(同社提供)

 日産自動車(横浜市西区)が12日発表した2022年3月期連結決算は、純損益が2155億3300万円の黒字(前期は4486億9700万円の赤字)だった。黒字は3年ぶり。値引き販売を抑制することで、販売利益を押し上げる米国での取り組みなどが奏功した。

 売上高は前期比7.1%増の8兆4245億8500万円、営業損益は2473億700万円の黒字(同1506億5100万円の赤字)。車体に使う鋼材やアルミ材の価格高騰の影響を受けたが、値引き販売抑制をはじめとした取り組みや製造の効率化、為替レートの変動、ドイツ自動車大手ダイムラーの株式売却益などが業績を押し上げた。

 21年度の世界販売台数は17万6千台減の387万6千台だった。新型コロナウイルス感染拡大や車載用半導体不足に加え、下期には資源価格の高騰も発生。販売台数が伸び悩んだ。

 23年3月期の連結業績予想は、売上高10兆円、営業利益2500億円、純利益1500億円とした。引き続き値引き販売の抑制などを進める一方、原材料費や物流費の大幅な高騰が影響するとみている。

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