
石川県漁協所属の中型イカ釣り船「第58金剛丸」が12日、北太平洋でのアカイカ漁に向け、能登町小木港を出発した。ウクライナに侵攻したロシアに対する経済制裁の影響で、ロシア海域でスルメイカ漁を行えない可能性があり、原油高騰の中、3千キロ以上離れた漁場に活路を見いだす。出港後、北朝鮮から日本海にミサイルがまたも発射され、漁業関係者は「いつまで漁を邪魔する気か」と憤った。
金剛丸にはインドネシア人技能実習生4人を含む9人が乗り込み、午後4時55分ごろ、家族ら約80人に見送られ出港した。金剛丸は、約3千~5千キロ離れた漁場に向かい、夏ごろまでアカイカ漁を行う。県漁協所属の残る10隻は6月上旬から日本海にスルメイカ漁に出る。漁が可能であれば金剛丸も合流する。金剛丸の船長で小木船団の山下浩弥船団長(62)は「とにかくイカをたくさん捕るしかない」と話した。
出港から約1時間半後、北朝鮮がミサイルを発射した。落下地点は航路から離れているものの、県漁協小木支所の白坂武雄参事は「発射はこれで終わりにしてほしい」と語気を強めた。