大分トリニータ 20歳を迎えた弓場将輝 かつてない手応えと充実感

快勝した13節の千葉戦後、リーグ戦で初先発出場した、プロ2年目の弓場将輝の口は滑らかだった。そこには自分の存在意義を証明できたという、彼なりの自信があったはずだ。「最初は緊張したけど、徐々に自分の持ち味は出せた。予測の部分と連続性で中盤を安定させ、勝利に貢献できたと思う」

ボランチを務める弓場の魅力は、献身的に動き回る豊富な運動量と、危険なゾーンに入ってきた相手に激しく当たる体の強さだ。今季はカップ戦に全て出場し、経験を積みアピールした。リーグ戦では、下平隆宏監督がバランスと展開力をボランチの最重要任務としていたため、スタメンの構想から外れることが多かったが、ボール奪取力と守備の危機管理能力の高さを評価され、リーグ戦での先発を手にした。

13節から3試合連続先発出場の弓場将輝

中盤でコンビを組むエドゥアルド・ネットとは連携がよく、自由に動き回るネットの空けたスペースを、抜群のポジショニングでフォローする。相手のカウンターに対しては、はやる気持ちを抑え、チェックに行く時と行かない時の区別をより明確にして攻撃を遅らせる。他のボランチの選手と比べて攻撃などの面で劣っているかといえば、そうでもない。素早い攻守の切り替えで前線をサポートする連続性や、短いパスを2タッチ以内で出すことにこだわり、攻撃にリズムを与える。

13節以降、弓場が先発で出場した3試合は負けなし。下平監督の構想に新たな選択肢をインプットできたはずだ。今後の活躍にも期待が高まる一方だ。「ネットとの関係性はよく、いい形で試合を進められている。守備の強度では自信があるし、セカンドボールも味方の動きを見ながら回収するように意識している。あとは得点。次の熊本戦はミドルシュートをズバーンと決めたい」と弓場。

ホーム熊本戦の前日となる今日、誕生日を迎えた。自らのゴールで20歳を祝うつもりだ。「世界で活躍できる選手になる。このチームから世界に羽ばたく」。大きな夢と野望を持つ43番の背中が、日を追うごとに大きく見える。

熊本戦では「バースデーゴールを決める」と宣言した

(柚野真也)

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